新聞も魔法使いもウチは間に合ってますので

第6話 三人目の女

またチャイムが鳴り、出てみると雨。先程の女二人が、三人目の女を連れて佇んでいた。

一人が持っていた枝を俺の目に突き刺すかのように突き出した。思わずのけぞる。

「この家では死が偽られました」否定はできない。エズラは家族に対して、自分が死んだことにして家出した。手提げの女、「死を偽った者は報いを受けますよ」「はあ」

「救いを求めましょう」

俺は断った。「あの、必要ないです。その報いを受けるべき人は他人で、急にここへ来ただけです。あんたたちが本当にその人を救いたいなら追いかければいい」

「どっちへ行った？」俺は裏口を指さした。女たちは濡れた靴をカツカツと鳴らして裏口の雑踏から出ていった。

ナメクジでも通ったように床に水たまりの道ができた。

古雑巾でその水を拭き取ってみると緑色の汚れがついた。三人は草地の上にいたのだろうか。