第4話 エズラ

ピーチャムは裏口から戻って来た。若くて綺麗な娘を連れている。俺は怒ったような口調をしてみせた。

「ナンパでもしてきたのか?」「エズラさん」息が荒い。「誰だよ」「ガーベラさんが葬儀に行ったのはエズラ。ジョヤ爺さんからそう聞いたと思う」

しかしエズラには足があった。鉱石のような青い目が煌めいて、俺の目線を咎めた。

「生きてるから」「何で葬儀が行われるんだ?」「家出。これから都会に出たいの。ね、サラリーマンが来なかった?」

俺は名刺を渡した 。「コーシュガーね」エズラはさっさと電話をかけてロブと落ち合った。エズラはモデルと女優を目指したいと語り始めた。ロブは嬉しそうに「ラピス」のためにドアを開き抑えた。

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