推しとの仕事

『これでダイナミックイルカショーを終わります』



「楽しかったね!」


「そうだね。ここの席まで、濡れるとは思わなかったけど」


イルカのジャンプで発生した水飛沫を軽く被った。ダイナミックと言ってもやりすぎ。


「まあ、これぐらい乾くでしょ」


「これが、夏ならね。上着買お」


「大丈夫だって!ハックション」


「言ったそばから。喉痛めたらダメなんだから」


「わかってる!お土産屋さん行こ!」


「はーい。って、そっちは逆」


「え?ほんとだ。改めて主発進行!」


テクテク


「ついたー!どれにしよー。ゼラニウムちゃん、これよくない?」


「似合ってるよ」


「私じゃなくて、ザラニウムちゃんが着るの」


「え。あ、はい。それでいいよ」


「やっぱり、私のセンスは世界一位!」


「推しが決めることが正しいだけ」


そんなこんなで、それぞれ上から着るものを買って、きた。


「じゃあ、あとは見せてもらおうかな」


「はい」


ここからはガチ目の仕事。

録音を止めとく。


「じゃあ、行ってた通りにおすすめのカフェにいこ!」


「うん。迷子にならないでね。どのカフェかわからないから、迷ったら、それまでだからね」


「はーい。なんか、ゼラニウムちゃん親みたい」


「親じゃない」


あれから、15分ぐらい歩くと、喫茶店が見えてきた。


「ここ?」


「うん!」


「何頼む?」


「もう決まってるから、決めていいよ」


うーん。どうしよう。プリンでいっか。

ベルを鳴らして、スタッフを呼ぶ。


「ご注文はお決まりでしょうか?」

「はい、プリン1つ」


「生クリームパンケーキを1つ」


「はい。わかりました。プリンお一つと、生クリームパンケーキをお一つでよろしいでしょうか?」


「「はい」」


「調理は5分以上かかります。ごゆっくり、お過ごし下さい」

「じゃあ、聞かせて」


「うん。調節はするし、バンバン言って」


これが、今日集まったもう一つの理由。

グループに所属する記念で、一人一人オリ曲を持つのはどうかという話になったらしい。そこで、活動期間が長い人から順にオリ曲えお発表したいらしい。

そこで、私が推薦された。

そして、今日はその曲を聴いて音の高さや歌詞の修正を行う。

咲に渡した曲の元は『ダンスホール』


「ん。めっちゃ、すごい!祝福と全然違う系統なのに」

「ありがとう」


「えーと、気になった所は」


「ご注文されたものを持ってきました。」


タイミングよく、注文したものが届いた。

「プリンを頼んだのは」


「私です」


「どうぞ、生クリームパンケーキのお方」


「はい!」


「伝票はここにおいてますので、会計の際お持ちになってください」


「はい」


その後、食べながら微調整を行なった。



「じゃあ、今日はバイバイ!」


「またね」


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