第4章75話:殲滅完了

と、同時に、私は二丁拳銃を両手に握った。


(チョコレート・ガン……!)


チョコレートで作った、チョコレートの拳銃。


私は、右手の拳銃を男に向けて―――


引き金を弾く。


バンッ!!


と、


チョコレートの弾丸が、銃撃炸裂光マズルフラッシュをきらめかせながら射出される。


超加速ちょうかそくした弾丸が、男に飛来していった。


「がっ!!?」


男の太腿ふとももが撃ち抜かれる。


苦悶の表情で膝をついた赤髪の男。


さらに私は、左手の拳銃を向ける。


バンッ!!


赤髪の男の頭を撃ち抜いた。


「ダラル!?」


赤髪の男はダラルという名前らしい。


やはり覚える価値はないので、秒で忘れた。


男が血の海に沈む。


「バ、バケモノめ……」


最後に残った一人が怯えた様子で言葉をこぼす。


私は、彼女に目を向けた。


「っ!」


赤髪の女は、勝ち目がないと見たか、脱兎だっとのごとく逃走を開始した。


私はチョコレート・カッターを容赦なく差し向ける。


「ひっ!!?」


チョコレート・カッターが女を切り裂く。


激痛に悶絶しそうになった女だが……


すぐさま首を跳ね飛ばした。


痛みを感じる間もなく逝けただろう。


「……」


これで敵は全滅させた。


しかし。


(気づいていないとでも思ったのかな)


4人組だけではない。


私を見つめる視線。


こちらを観察する者たち。


1人。


2人。


いや、3人か。


その存在に、私は気づいている。


視界の斜め後ろ……


高台の上だ。


(盗賊たちの親玉かな? よーし、ホワイトチョコレートでマーキングしてやろう)


と私は思った。


相手に気づかれないように、ホワイトチョコレートのロープをするすると地面に這わせていく。



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