第2章22話:一週間後の再会
一週間後。
ふたたび、モント村へとやってきた。
シェニルさんの店で卵をゲットし……
カーノスさんの牧場でミルクをゲットする。
ちなみに今日は、カーノスさんが気前よく、ミルクをタダで飲ませてくれた。
「あまいっ!」
そのあと、私たちは剣術教室のある場所ヘ向かう。
すでにテオくん、ヘンリックくん、ラミサさんの3人がいた。
「ようセレナ、アイリス。一週間ぶりだな!!」
と、元気よく挨拶をしてきたのがテオくんだ。
「今日もよろしくね」
と、ツンツンしてるっぽいのに、意外と落ち着いた挨拶をするラミサさん。
「ふん」
と、鼻だけ鳴らしたヘンリックくん。
「みんな、よろしくね!」
アイリスがそう言った。
「……? ユズナさんは来てないんですか?」
と、私が尋ねる。
子どもたちはいるのに、ユズナさんの姿がない。
クレアベルが推測を述べた。
「まだ時間じゃないんだろう。前回より、まだ日が高いからな」
前回は、日がもう少し傾いていた。
つまり、もう少し遅い時間だったわけだ。
私たちが早く来すぎたのである。
というわけで、しばらく雑談をすることになった。
「それにしても、前回のセレナはすごかったよなー!」
と、テオくんが言った。
続けて聞いてくる。
「チョコレート魔法だっけ? どうやってあんな魔法覚えたんだよ?」
「うーん……習得したというより、小さいころから使えたんですよね」
そう答えると、ラミサさんが感想を述べる。
「生まれつきってこと? やっぱり才能ある人は違うわね」
「いえ、別に私、才能なんてありませんよ」
私が否定すると、ラミサさんが言う。
「いやー、才能あると思うわよ。だって、あのヘンリックを倒しちゃうんだもの」
「俺ら、ヘンリックには一度も勝ったことないからな。近い年齢だと、ヘンリックに勝てるやつなんていないと思ってたぜ」
確かにヘンリックくんは、かなり強い。
パワーや、剣術のキレ。
知的な戦術など、10歳とは思えないパフォーマンスだった。
「……」
すぐ近くにヘンリックくんがいる。
当然、私たちの会話は聞こえている。
私たちがしているのは、ヘンリックくんが負けたことに関する話だ。
もしかしたら、ヘンリックくんの気を悪くしたかもしれないと思い、彼をちらりと見るが。
「……なんだよ」
と、ヘンリックくんがつんけんした言葉を返してくる。
私は答えた。
「な、なんでもありません」
「……別に気にしてないさ」
と、こちらの思考を読んだようにヘンリックくんが言った。
「僕がお前に負けたのは事実だ。僕の実力では、全く歯が立たなかった。お前は確かに、僕より何倍も強い」
認めてくるヘンリックくん。
そして、
「だが次は負けないぞ! 努力して、必ずお前に追いついてやる!」
と宣言してきた。
ヘンリックくんは負けず嫌いなんだろうな。
私も追いつかれないように、これからも努力しよう。
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