第2話 転生
遊が目を覚ますと目の前には見知った顔の人間はだれもおらず。
何もない空間が広がっていた。
「もうしわけございませんでした。今回は完全なる当社のミスでございます」
眼鏡をかけたスーツ姿の女性が、頭を下げて謝ってくる。
「それよりあんただれよ?」
遊はスーツ姿の女性をぼーっと半眼で見ながら言った。
「もうしおくれました。わたくし異世界転移会社のメガミという者です。以後お見知りおきを」
名刺を胸ポケットから、スッと取り出して渡してきた。
「そのメガミさんが僕になんか用?用が無いなら家に帰ってゲームして寝たいんだけど」
「それについてなんですが、転移の範囲を大きく設定しすぎてしまって、あなたも異世界転移することになったんです」
「そうなのかー」
「あまり驚かないんですね……。では、概要を説明いたします。あなたは事故による転移であるため、転生扱いになります。お詫びにわたくしから一つ能力をお渡しいたしましょう」
特殊な能力がもらえるというのは、魅力的な提案だ。
「一生寝てられる奴がいいなあ」
「……わかりました。能力は『睡拳』とかどうでしょうかね?寝ながら戦える能力です」
こうして遊は、異世界に転生した。
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