どこでも寝れる僕は、雑魚スキル「睡拳」で無双する

@kaiji2134

第1話 プロローグ

「これより避難訓練を始める!放送が始まったら机の下に速やかに隠れるように」

 がたいのいい体育教師が大きな声で注意した。


 しかし、生徒たちは体育教師の注意を聞かずに、ガヤガヤと騒いでる。そんな喧騒の中、一人惰眠をむさぼっている生徒がいた。和泉遊だ。

 寝癖だらけの黒髪に、まったくやる気というものに欠ける眠たそうな顔をしている。緊張感ゼロなことこのうえない。

 それどころか避難訓練が始まるという状況にもかかわらず、

「あと五分……」

 なんて、寝言を言いいながら幸せそうに寝ている。こんな状況でも寝れるからには

 彼はとてつもない、大物なのだろう。

 

 直後、避難訓練が始まり一人の生徒が体育教師に報告をした。

「先生、和泉君がついてきてません」

 体育教師はしかめっ面をして生徒の方を振り向いた

「またあいつか、学級委員は和泉のことを連れてこい」

 ……あらためて言いなおそう。

 彼はそのようには見えない……。


 教室から戻って来た学級委員は、体育教師に慌てて報告した。

「先生、和泉君が教室に居なかったです」

「なにぃ!?」


和泉遊は寝ている間に、現実世界から姿を消してしまったのだ。

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