「猫と風鈴」

羽瀬川由紀

第1話

チリリン チリリン


風に吹かれて 風鈴は揺れる


透明な硝子に薄桃色と檸檬色の


水玉模様が浮かぶ


音の鳴るぜつは乳白色、垂れ下がる短冊は


薄紅色をしていた


猫は風鈴の音に誘われて


縁側から部屋に入ってきた


ポカポカと陽が当たり


猫は風鈴の音を聴きながら


夢と現の境目を行き来して まどろむ


空は晴れ渡る 真夏の昼下がり

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「猫と風鈴」 羽瀬川由紀 @yuki024

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