第18話 弟の成長
俺は、エレンと一緒に俺の部屋に行った。俺の部屋はここから出る前に整理したので片付いている。
「ここがルークの部屋かあ。綺麗だね。私の何てもっと汚いよ」
「出る前にちょっと整理したからな。普段はそうでもないよ」
「わあ、貴方がアンディーの一つ上のお兄ちゃん?」
エレンに説明していると一人目の妹に出くわした。
「俺はルークっていうんだ。君は?」
「私はカティア。お兄ちゃんのお兄ちゃんはお兄ちゃんより強いんだよね。魔法見せてよ。そういえば隣の人は誰?」
「私はエレン。ルークの婚約者なの」
「わあ、素敵。お兄ちゃんのお兄ちゃんにはこんなかわいい人が結婚してくれるんだね」
「そうだな。俺にとっては世界一可愛いよ」
「うわあ。素敵だなあ」
妹のカティアのかん高い声が響く。カティアは金髪のショートボブに青い目で美少女だった。エレンも自慢げでとてもいい雰囲気だ。
「お兄ちゃんのお兄ちゃんのことはルークお兄ちゃんって呼べばいい?」
「それでお願い。カティア、アンディーのことはどう思ってる?」
「格好いいよ。お嫁さんになりたいなって思ってる」
「そうなのか」
カティアは兄思いらしい。アンディーは、これまで何をしていたのか今になって気になった。魔法の練習をしていたのはもちろんのことだろうが、アンディーはここまで妹に慕われているのだ。
「アンディーとの間に何かあったのか」
「あれは、私が森に果物を取りに行ってた時魔物に襲われて魔物からお兄ちゃんは守ってくれたの。他にも私とよく遊んでくれたりするし、お兄ちゃんはいいお兄ちゃんだよ」
アンディーは勇敢に育ったらしい、魔物を撃退して妹を助ける。俺ほど強さはなくともやることはやっているようで嬉しかった。
「じゃあ、私は行くね。2人を邪魔しちゃ悪いし」
「ありがとうねカティアちゃん」
こうして、俺達は再び2人になる。
「ここがルークのベッドか。今日は一緒にここで寝よう」
「それは」
「一回くらいじゃ妊娠しないでしょ」
「分かった。一緒に寝よう。でもこれは秘密にしておこう」
「そうだね」
俺の部屋に鍵はある。これを掛ければ他の人は入って来れないだろう。このような結婚前にことが一度くらい会ったていいと思うし。
「今日はよろしくな」
「こっちこそ。それとは別にここでいつもみたいにキスしよう」
「ああ」
俺はエレンと向き合う。赤髪がとても綺麗だった。唇と唇を重ね合う。そして、舌と舌を絡め合った。この状態は10分くらい続いた。
「ルークお兄ちゃ、あわわわわ、失礼しました」
「カティアか。別に気にしてないよ」
「お邪魔しましたお2人さん」
「ルーク、お前そこまで進んでいたのか。性行為をするときは必ずこれを付けろよ」
カティアと共に父のアーサーも来ていた。アーサーからはコンドームを貰った。
「ありがとう父さん」
「これくらいはするさ。お前らように買った新品だから大切に使うように」
俺達は夕食を取ってその後就寝の時間だった。エレンと裸になりあって眠る、こんなことになるのは前世を含めて初めてだった。俺達は性の快楽を知りながら眠るのだった。そして、朝になった。
「おはようルーク」
「おはようエレン。昨日は良かったな」
「うん。ルークの凄い良かったよ」
俺は童貞を卒業し、エレンは処女を俺に捧げたのだった。初めてのセックスは今までにない位に快楽を感じられた。これからは毎日これをすることになるのだろう。
「ルーク、もう一回やらない?」
「ああ、やろう」
俺達は互いを貪り合う。長い朝になるのだった。そうして事をなした後、俺達は服を着て部屋の外に出た。
「ルークお兄ちゃん、エレンさん。昨晩はお楽しみだったね」
「どこでそんな言葉を知ったんだ」
「お兄ちゃんの隠してる本から」
「はあ、人の秘密を探るのは良くないぞカティア」
「ルークはベッドでいる時も格好よかったよ」
「うわあ、私もお兄ちゃんとそんな関係になりたい」
アンディーはどれだけ妹たらしなのだろうか。普通の妹は兄の事をここまで好きにはならないと思う。
「なあ、カティアってアンディーのことどれくらい好きなんだ」
「この世界で一番好き。ルークお兄ちゃんもお兄ちゃんと一緒に過ごせば分かると思うよ」
「そうか」
この純粋に兄を好きでいる態度はいつ頃まで続くのだろうか。反抗期になったらアンディーはどう思うのだろう。そういうことを考えていたらアンディーがやってきた。
「兄上、おはよう」
「おはようアンディー、カティアは好きか?」
「当たり前だよ。兄として大好きだよ」
「これは両方が好きなのかもしれないけど意味合いが違うかもなあ」
「そうだな。カティアはアンディーと結婚したいと思ってるか」
「うん」
「あはは、カティア。そんなお世辞言わなくても大丈夫だよ」
「お世辞じゃないもん。本当だもん」
兄妹同士で話が噛み合っていない。アンディーの好意はあくまでも兄が妹に向ける好意だった。カティアはどこまで本気なのかは分からない。
「兄上、それより魔法を教えてよ」
「よし、なら近くの森で魔物狩りだな」
「それなんだけど私も付いていっていい、ルーク?私も強くなりたい」
「お兄ちゃんが行くなら私も行く」
「カティアは留守番な」
「やだやだ。私も行くの」
「カティア、お兄ちゃん達は危険なところに行くんだ。カティアが安全なのがお兄ちゃんの幸せだよ」
「分かった。お兄ちゃんがそう言うなら留守番してる」
カティアを一発で納得させたアンディーだった。
「じゃあ行くか。森まで案内しよう」
「よし、兄上にこれまでの成果を見せれる」
「ルーク、私も魔法は頑張ってたから見ててね」
「ああ、行こう」
俺達は魔物の出る森までノーストップで向かった。そして森の魔物の出る場所までやってきた。ゴブリンが数体襲いかかってきたのだった。
「丁度いい、2人で倒してみてくれ。危なくなったら俺が援護するから」
「これくらいなら楽勝だな。兄上、見ててね」
「私も頑張らないと」
ゴブリンは襲いかかってきた。それらがアンディーの土属性の初級魔法ストーンバレットで一掃される。エレンも一匹火属性の中級魔法ファイアーランスで倒していた。
「どうだった兄上。兄上のストーンバレットを再現できてたでしょ」
「ああ、凄かったさ。でも俺はもっと速く打てるんだ」
「じゃあ次は見せてよ」
「分かった。エレン、大丈夫か?」
「大丈夫、アンディー君強いね」
エレンが中級魔法を使っているのを見て、俺はエレンも強くなっていたのだと実感した。この調子であればゴブリン以上の強さの魔物と戦うように言ってもいいかもしれないと思った。
「さて、終わったことだしもっと奥に行こうか」
「よし、やってやるぜ」
「私も頑張るよ」
こうして、俺達はより森の深くへと入り込んだ。少し奥に行ったところにレッドボアという巨大な赤い猪の魔物がいた。
「さあ、レッドボアだ。どうするアンディー」
アンディーは真っ先に土属性の初級魔法ストーンバレットを放ったが皮が厚く致命傷にはならなかった。
「くそ、こいつ固い」
「私がやる」
エレンが火属性の中級魔法ファイアーランスを放つ。エレンのファイアーランスはレッドボアを確実に焼いた。それを後3発くらい撃ってレッドボアが息絶えた。
「アンディー。言っておくがストーンバレットは初級魔法だ。俺が中級魔法を教えてやる」
「やったー。俺もできることが増えるのか」
俺は、中級魔法ストーンランスのイメージを教えてアンディーに実践してもらう。試しにもう一匹レッドボアが出たのでそいつに撃ってもらった。結果は成功。だが魔力を多く消費したようだった。3発撃って倒したのだった。
「はあ、これが中級魔法か。疲れるなあ」
「ポーションはあるからな。それともここでやめにするか」
「いや、まだやるよ兄上」
俺達はそういうことで先に進んだ。次に現れたのはオーガだった。昔オーガキングをシルヴィアから倒すように言われて倒したことを思い出す。今思えばとても懐かしい。そんな感傷に浸りながらも二人の戦いを見る。アンディーはストーンランスを使ってオーガに食らわせていた。それで一発で倒れるのがオーガではなく、オーガは暴れていた。だが、ストーンランスでも銃撃くらいの速さで魔法を放っているのはすごい点だろう。エレンの方はファイアーランスでオーガを焼いていた。そのうち、他のオーガが出てきた。
「これはやばい」
「いい。こいつらは俺が相手をする」
「ルーク、ありがとう」
「アンディーとエレンは下がってて」
「分かった」
「気を付けてねルーク」
「大丈夫こんなのすぐに終わるから」
俺はストーンバレットをアンディーの何倍もの速さで放ちオーガたちを倒した。
「ここで引き返そう。オーガを殲滅しに来たわけでもないし」
「兄上、凄いよ」
「流石ルーク。私とはやっぱり別次元なんだなあ」
俺達はそうして、この森を引き返した。帰りは立ちふさがる魔物を全て俺が瞬殺して安全に帰ったのだった。
「ただいまマリア」
「お帰りなさいませ、ルークお坊ちゃま。エレン嬢、アンディーお坊ちゃま」
「失礼します」
「マリアー、カティアはちゃんと留守番してた?」
「してましたよ。アンディーお坊ちゃまの帰りを待ってました」
「お兄ちゃーんお帰りー」
マリアに屋敷で出迎えられるとすぐにカティアがやって来てアンディーに抱き着いた。その小さい体をアンディーは抱き返す。
「今度は安全な場所でピクニックしようなカティア」
「本当?約束だよお兄ちゃん」
「約束だな。明日行こう。兄上もエレンさんも一緒でいい?」
「ああ、喜んで一緒するよ」
「私も喜んで」
「で、どこに行くんだアンディー」
「草原でサンドイッチでも食べようかなって思っててさ」
「あそこか。俺とエレンが出会ったのも思えばあそこだったな」
「あの時はルークみたいな人が来てくれるとは思ってなかったよ。あの時来てくれてありがとう、ルーク」
「俺はエレンがいてくれるだけで嬉しいけどな。そばにいててくれてありがとうよエレン」
「どういたしまして。続きはベッドでね」
「ああ」
「ルークお兄ちゃん達って本当に仲がいいんだね。いつか私もお兄ちゃんと一緒に」
「カティア。何かお兄ちゃんにしてほしいことでもあるのか?」
「いや、何でもない」
「ならいいけど。何かあったらお兄ちゃんに言えよ」
「ありがとう」
こうして、俺達は明日ピクニックに行くことになるのだった。明日も晴れればいいと思う俺だった。
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