第12話 ダンジョン攻略

 それから3か月が経った。俺とエレンの中は相変わらずよく、噴水でデートすることはもちろん、他の場所でもデートするようになった。そして、ダンジョンは地獄の蓋を30分で攻略できるようになった。成長で来ている実感はあったがここまでこれたのもシルヴィアのおかげだと思った。そして俺は今、名前のないダンジョンに挑んでいる。天使のような魔物は2回までは俺の上級魔法ヘルインフェルノで燃やし尽くすことができていた。ここも成長した点だが、俺は魔力の量もけた違いに増えていた。ゴーレムを倒すのが今で1回目だ。


「ここを突破して3階までは行ってやる」

「その意気だルーク君。期待してるぞ」


 虹色の鉱石が人型に集まったゴーレム達が湧いてくる。俺はその軍団の魔力を吸収して鉱石を破壊した。これは魔力補給にもなるので結構戦える。次の天使のヘルインフェルノで燃やし尽くし次の階に進む。次の階にも天使の集団がいるが1階よりも巨大で頑丈だった。上級魔法ヘルインフェルノを使ってもそこまで焼けたりせず強敵だった。なので俺はヘルインフェルノを土属性で固め固定した弾丸のように放つ魔法を開発した。ヘルマシンガンと付けたその魔法で顔を打ち抜いていく。この天使たちは強い再生力を持っているのでそれもジリ貧になりがちだが、確実に一体を仕留めることはできた。だが、相手がひるむのを待ってそれを行った。一体ずつ確実に仕留めていった。そうして、最後の一匹がいなくなった時、魔力補給ができる時間がやってくる。前の階と同じゴーレムがやってくる。その間に階段まで突き進んでいきゴーレムの鉱石の魔力を吸収し尽くす。だが、このゴーレムの鉱石の耐久性は1階のより高く壊すのには時間がかかった。その間に攻撃されるがかわしながら魔力を吸収していった。そうして、天使のような巨大な魔物が新たに湧いてきた時俺は1階への階段と3階への階段の間にいた。その天使のような魔物もさっきと同じように倒し、俺は初めて3階へと到達した。3階には大きな光り輝く扉があった。


「これは......ボスなのか。ルーク君気を付けていけ」

「分かってます先生。俺がこのダンジョンを攻略する」


 そうして俺は扉を開けた。するとまぶしい光で目がくらんだ。即座に回復しようとするが、俺は白い空間にいた。


「来栖太陽、いや、ルーク・ジルベルト。よくここに来た」

「その声は、俺を転生させてくれた神様」

「このダンジョンは勇者である佐藤神威に攻略させる予定だったが、予定が変わった。お前をこの試練に参加させよう。さあ、ここのボス、メタトロンに立ち向かって見せよ」


そして、俺は白い空間から巨大なメタトロンのいる場所に転移する。シルヴィアはそこにいて気を失っているようだった。メタトロンは翼が6つある天使のような見た目でバフォメットと同じくらい巨体だった。そして、虹色の鉱石の鎧を身にまとっている。そこに複数の魔法陣が現れ2階の天使のような魔物が召喚された。


「くそ、シルヴィア先生は気を失ってるっていうのに。こいつらを相手するってか」


 俺は上級魔法ヘルマシンガンを発動する。天使のような魔物は血を流しながらもこちらに向かってくる。それに加え、シルヴィアを守ろうと思っているためこちらは動けない。天使のような魔物はメタトロンが召喚してどんどん召喚されていく。俺はメタトロンに遠距離から上級魔法ヘルマシンガンを放ったが、傷がついても再生していくし鎧に当たると魔法が消滅していく。俺は魔法を吸収することを天使のような魔物に行った。倒れることはないが魔力を消耗している様子が分かる。この魔力でさらに上級魔法ヘルマシンガンを放ちまた魔力を吸収していく。そして、俺は天使のような魔物に傷をつけ続けた。その分の魔力を天使のような魔物からまた吸い取る。それを繰り返しているうちに天使のような魔物たちが魔力切れを起こしたようだ。そしてシルヴィアも目覚める。


「はっ。ルーク君、ここは」

「ボスの階層ですよ。メタトロンっていうボスらしいです」

「私は、気絶していたのか」


 俺はシルヴィアが目覚めた後、メタトロンの元へ向かった。そうしてメタトロンの鎧の魔力を吸収しながら天使のような魔物の相手をする。魔力切れを起こした天使のような魔物が順に倒れて行った。魔物をヘルマシンガンでとどめを刺しながら天使のような魔物を召喚し続けるメタトロンの鎧の魔力を吸収し尽くした。鎧は砕けた。だが、そこからゴーレムが召喚されまたメタトロンの鎧を形作っていく。だが、その隙に上級魔法ヘルマシンガンをメタトロンの体に叩き込んだ。だが、浅い。俺はヘルマシンガンをより研ぎ澄まし、光速で放てるように集中した。ストーンバレットだとできたのでできるはずだと思ったがなかなかうまくいかない。その間に鎧は新調されてしまった。俺は天使のような魔物やメタトロンの鎧からまた魔力を吸収する。その勢いは上級魔法の如く増し鎧が砕け天使のような魔物も魔力切れで倒れた。俺はその間に上級魔法ヘルマシンガンを放ちメタトロンを傷つける。今度はさっきよりも深く再生しているが周囲の魔力を吸収しながらどんどんヘルマシンガンを打っていく。


「ルーク君。私は出て行っていいか。邪魔なだけだしな」

「ええ、どうぞ。俺はこいつをぶっ倒して帰ってきますよ」


 勢いでシルヴィアの魔力まで奪ってしまったらしい。だが、シルヴィアは出て行ってくれるようで階段を上がっていった。シルヴィアがいなくなったことで俺ももっと勢いを込めて魔力を吸収し続けた。そうしていくうちにメタトロンが新たに天使のような魔物を召喚しなくなっていた。


「今だ」


 俺は上級魔法ヘルマシンガンを放つ。長時間の戦闘でゾーンに入り光速でヘルマシンガンを放てた。それがメタトロンの体中を貫いていく。だが、メタトロンも再生していく。だが、その後メタトロンの魔力を吸収し、またヘルマシンガンを光速で放つ。さすがに再生が追い付かなくなった部分が出てきたようでそれに追い打ちをかけるかのように魔力を吸収しながらヘルマシンガンを放ち続けた。そして、ついに俺はメタトロンを倒したのだった。それと同時に天使のような魔物もすべて消えていった。メタトロンが消滅し、この空間から俺は転移してダンジョンの前に戻って行った。転移した先にはシルヴィアもいた。


「シルヴィア先生。早かったですね」

「いや途中で勝手に転移したんでな。お前はボスを倒せたのか」

「はい。シルヴィア先生。先生のおかげです」

「お前は私を超えている。これで最終試験は突破だ。おめでとうルーク君」

「この後は何を教わればいいんですか」

「それは自分で見定めろ。それしかいうことはないなルーク君」


 俺はシルヴィアからの最終試験を突破した後は自主的な鍛錬を積まなければならないということだろうか。


「そういえば先生が離れるってことは俺は他の人の魔法の実践の時には何してればいいんですか」

「自習だ。ダンジョンに潜ってもいいぞ。それから冒険者登録もしてこなければな」


 俺は今後自習のようだった。ダンジョンに入ることも許可された。ならあの名前のないダンジョンをまた攻略するのもいいかもしれない。そういえば神様がさっきのダンジョンは勇者に攻略してもらう予定だったと言っていたが、神威はそこまで強くなるのだろうか。魔王の強さが未知数である以上、魔王もあのダンジョンのメタトロンよりも強い可能性もあるだろう。魔女の言い伝えがある以上俺も他人ごとではない。魔王がエレンに何かするようなら止めなければならない。


「俺は魔王が相手でも立ち向かえるだけの強さにならなければならない」

「そうか。そこまでを望むか。私が導けるのはこれまでだよルーク君。だが、明日冒険者登録に行こう。それで私の役目はおしまいだ。いいな」

「これまでありがとうございます先生」

「これからのことだが、改めて神託を受けてみてもいいかもしれないぞ自分がどこまで到達できてるか分かるだろうからな」

「神託って何度も受けられるんですか」

「ああ。受けられるさ。金貨1枚必要だがな」

「金貨かあ。そういえば稼げてないな」

「そのための冒険者登録だよ」

「分かりました。冒険者に登録してお金を稼げばいいんですね」

「素材を狩り取らなければならないがな。これまでとは違うこともしなくてはならないぞ」

「そうですね。解体はやったことないし」

「まあ、地獄の蓋の魔物の素材を1つや2つぐらい持っていけば金貨は手に入るさ」

「それなら簡単そうですね。先生、情報ありがとうございます」

「これくらい何てことない。それより帰るぞ」

「はい」


 俺とシルヴィアはそうして学園に帰って行った。そして、エレンが出迎えてくれる。このやり取りも何度したか分からないくらいにしたが、エレンが出迎えてくれるのは素直に嬉しかった。


「ルーク。今日はどこまで頑張れた?」

「先生でも攻略できないダンジョンを攻略できたよ」

「凄い。先生を超えたんだ」

「まあ、そういうことになるけど。エレン、俺は魔王に対抗できるくらいに強くなりたいんだ。もしもエレンに何かあったら大変だからね」

「もう、大丈夫だよ。この国の伝承はあっても私が狙われるとは限らないでしょ」

「もしもの場合を考えてやってるんだけどさ。俺は強くはなれてると思うけど魔王がどれくらいの強さかってことは知りたいんだよね」

「私に聞かれても分からないけど、今のルークだったら倒せるんじゃない?」

「そうだといいな。途中で転生した時の神様の声を聞いたんだけど、勇者が倒すはずのダンジョンだったって言っててさ」

「そうなんだ。でもきっとルークなら魔王に勝てると思うよ」

「信じてくれてありがとう。エレンの笑顔のためなら俺はとことん頑張れるよ」

「応援してるよルーク」


 俺達はいつものように教室に向かう。そして、授業を受けた。最近の授業の問題は難しくなってきている気がする。だが、数学はやはり簡単だった。前世の数学の知識に比べれば大したことのないことをやっているように思えた。そんなこんなで昼休みになりエレンと噴水でデートし、授業を受け放課後になった。今度は学園の外の街でデートすることにしたのだった。

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