第80話 酒池肉林

それからは軽い挨拶だけ行って、ざっくばらんに会話を楽しんだ。


「そう言えば色男はいつも女性を侍らしているが私と同類か?」


「何の同類だ?」


「女好きでエッチが大好きなんだろう?」


「別に否定はしないが、そもそも男はエッチが好きな者の方が多いだろう?」


「そうだろうそうだろう。こいつらにも言ってやってくれ。本能のままに生きて何が悪いって」


「確かに本能のまま生きることは素晴らしいと思うが人を困らせるのは良くないと思うがな?」


「別に私は誰も困らせた覚えはないぞ」


「私達が困ってるのよ」


「あー、前に言ってたやつか?」


「そうよ。あんたのせいで他の男に襲われかけたのよ」


「それは悪いとは思うが、私のスキルの恩恵も知っているだろう?」


スキル?それは聞いていないぞ。


「そのスキルってなんだ?」


「お、気になるか?私のスキルの一つがな《酒池肉林》とあってな…。」


要するに血が活性化するほどに体調の回復や筋力向上などの恩恵があるそうだ。


その血の活性化を促す行為で、一番の恩恵を受けれるのがエッチだと言う。


「なるほど、そのスキルのことは聞いていなかったから難しい問題だな」


「何が難しい問題なんだ?」


「彼女達が男どもに襲われないように、野外での君の夜の行為を説得して欲しいと言われててな」


「そうなのか…。確かにパーティに危険をもたらせたのは悪いと思うがスキルの恩恵もあるからしょうがないだろう?」


「本当のところは?」


「野外で男どもに襲われるなんて興奮するではないか」


「うん、ただの変態だな」


「失敬な。欲望に忠実なだけだ。お前もそうだろうが」


「一緒にするな」


「迷惑になるなら出ていくとパーティには伝えているんだがな」


「君達はサドに抜けられたくないってことか?」


「ええ。サドは女性の前衛職で考えると強いからな」


「やはり男のメンバーでも入れたらどうだ?」


「それは私が嫌だ」


「なんでお前が嫌がるんだよ」


「毎回同じ相手とエッチしても興奮しないだろうが」


「どんな理屈だよ。それに愛し合った人とした方が気持ちがいいだろうが?」


「愛したことがないから分からん」


「じゃあ、体の相性で選べよ」


「ふむ、確かに体の相性はあるな」


「埒が明かねぇ。サド以外のお前らが全員彼氏を作って2パーティでも作れ。そして、ダンジョンや野外の時だけ混合パーティにしろよ」


「それは面白いな」


「サド見たいに綺麗じゃないから私達に彼氏が出来るかどうか…。それに彼氏が出来てもサドに寝とられそうで…。」


「失敬な。人の者をとるほど困ってないぞ。まあ、やった後で妻子持ちだと分かることはあるが」


「セツナ、どうしたらいい?」


「一度全員ミロード様に抱かれてみればいいんじゃないか?」


その言葉を聞いて一人の鬼が現れた。


「セツナ、殺すわよ」


「あ、いや、ミロード様なら夜の方も奇跡を起こしそうだと思って」


「確かに夜の方も凄いけど、それだけは絶対させないわよ」


「ごめん、恥ずかしいから辞めて」


「お、そんなに凄いのか?私と一発どうだ?」


「貴女も殺すわよ」


「お前も空気を読めよ」


「悪い、つい反射的に」


「てか、お前ら何処かで妥協案をだして呑むしかないだろう」


こうして彼女達は妥協案を出し合って何とか決まった。


基本野外でのエッチはしない。

ただし、条件としてダンジョンで強いボスなどと戦う時などは承諾する。


それに伴い、お金を貯めて設置型の魔道具を購入し、安全地帯の場所確保などを念入りにすることなどで落ち着いた。


俺は途中から何のためにこの会話に加わっているか分からないほどに居ても意味がなかった。


ただ一つ分かったことは、サラサを怒らせると恐いと言うことだけだ。


サラサからも嫁が増えるのはしょうがないけど他でエッチしてきたら許さないと念を押された。


さらにはもうすこし私達の相手をしなさいと怒られた。


だって、夜はだいたいテテやキュイと一緒に寝てるしって言ったら、今度からはサラサとエターナのどちらかが一緒に寝ると言われてしまった。


もちろん嬉しいのだが、モフモフタイムも癒しだったので寂しい気持ちも少しだけあった。まあ、テテ達も一緒には寝るので配置が変わるだけではあるが…。


やはりこの世界は欲望に忠実な人が多い見たいだ。


暗殺ギルドも存在するし、悪い意味でも欲望に忠実なのかもしれない。


そう言えばギルド長から暗殺ギルドのことで相談があると言っていたな。


明日にでもツバキギルド長も元へ伺ってみよう。


お土産にサツナを一緒に連れていけば喜ぶだろうしな。


こうして無事?に解決をしたのだが、俺は今後夜の戦場も忙しくなるのであった。







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