第34話 理性
理性が飛んだローズの唇は柔らかく俺は懐かしい記憶が蘇った。
この世界では初めてだが、前世の記憶がどうするかを知っている。
気付けば俺の体は正直でもう止まることができない。
こうして二人の体は一つとなった。
「ス、スマナイ。久しぶりで欲を止められなかった」
「いえいえ、最高の褒美でしたよ」
「そう言ってもらえると嬉しいな」
ローズは顔を赤めなが体をらうねうねしている。
「それにしてもミロードは上手だな。初めてこんなに…」
「それは良かったです。このテントはスイッチ一つで防音機能もついているので安心して下さい」
しばらく体を密着したまま会話を楽しんだ。
その後ローズが帰ったあと俺は考えていた。
この世界は魔物や戦争があり、若い内に亡くなる確率も前世とは比べものにならないくらい多い。
さらにはテレビや携帯もないので娯楽も少ない。
そうするとやはり男女の交わりが多くなるのだろう。この状態があるからこそ出生率が多く人口が減らないのだろう。
前世は娯楽が多く、一人でいても楽しいと思えるからこそ人との会話も減ってくる。
魔物がいる異世界は出生率が高いことでバランスがとれているのだろう。
そんなことを考えながら眠りについた。
翌朝、朝食をとりサンターナの街に向け護衛依頼の再開だ。
案の定セツナは王女の近くで護衛だそうだ。
「なぁ、ミロード?」
「どうした、ダンダン?」
「隊長の尻はどうだった?」
「ちゃんと触らせてもらったぞ」
ダンダンのせいで褒美がこうなったんだぞと言う念を込めて白い目で見る。
「まあまあ、まさか褒美がこんなことになるとはな…」
「まあ、いいけど。そう言えば王女はなんでサンターナの街に寄るのだ?」
「あー、最近サンターナの街がいい意味で騒がしくてな」
「そうなんだ。どんな風に騒がしいの?」
「何でも奇跡的なことが多々起きているそうで確認のためにだそうだ」
何か嫌な予感がする…、サンターナの街に着いたらズラかるか。
ラングード都市にリーリアとサラサが待ってるしな。
その後もダンダンが相棒かと思うほど護衛中はずっと一緒にいた。
数日後、無事にサンターナの街に到着する。
イザーム伯爵の屋敷まで護衛が終わり帰ろうとした時ガシッと腕を掴まれた。
「あら、ミロード奇遇ね」
「そうですね、アクア嬢」
「挨拶もなしに帰るのかしら?」
「ただの冒険者なので。それにティファ王女が来ているので忙しいでしょうから」
「姉さんがいるから大丈夫よ。そ・れ・よ・り・も…。」
ヤバイ、セツナを治したことをどう乗り切ろう。
「サラサとやった?(結ばれた)」
「えっ?」
「だ・か・らー、サラサと交わったの?」
「おい、どこのおっさんだよ」
ヤバイ、普通にツッコミを入れてしまった。
この世界では、これだけでも貴族に無礼をなしたと見なされる。
せめて冒険者ランクがAランクまで上がれば言い逃れもできるのだが。
「いいわね。そのぐらいフランクの方が私も楽よ」
ほっ、助かった。
「なら良かった。ちなみに答えはNOだ」
「えー、勿体ない。あんな綺麗でナイズバディーはなかなかいないよ」
「そうかもな」
「もしかして男好き?」
「んな訳あるかー」
「本当かしら、なんなら触る?」
そう言うとアクアは自分の胸に手を当てた。
「触るかー、一つ間違えれば責任とらされるからな」
「チッ」
「おい、貴族の嗜みはどうした?」
「いいのよ、たまにはこんな会話もしたいのよ。あ、そう言えばお父様が会いたいって言ってたなー」
「王女様の御持て成しで忙しいだろうから却下で。明日にはラングード都市に向けて戻るからな」
「なんでそんなに急ぐのよ?」
「なんか嫌な予感がするからな」
「まあ言いわ。お父様が会えない時は有り難うって伝えておいてと言われたわ」
「そう、何のことか解らないが承知した」
気付けば仲のよい友達のように話ていた。
翌日にはまたラングード都市に向けて帰るので、今日は食料調達だけしてゆっくりと宿で寝ることにした。
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