第21話 虹色の不死鳥使い
戦争も終結し、俺は無事にサンターナの街に帰ってきた。
予想以上の成果を上げた俺に追加の報酬をくれるそうだ。
もちろん貰える物は当然貰う。
ちなみに予想以上の成果の中に、相手の偵察部隊を仕留めた内容があった。
何でも中間地点に魔法を放ってレベル上げをしていたのだが、その時に一緒に偵察部隊を仕留めていたらしい。
後から聞いたことなので人を殺したことの罪悪感は半減していた。
しかし聞いた直後は気分が悪くなったが、一日後には頭痛や吐き気は治まっていた。
戦場のタイミングでなく本当に良かったと思う。
運上昇のスキルが伊達ではないと実感している。
こうして後方支援や回復魔法だけではなく、デモンストレーションや偵察部隊の排除まであって報酬が凄いことになるらしい。
こうしてアクア嬢の屋敷で優雅に過ごしていると褒美の件で呼ばれた。
当主のイザーム様とコーズ殿の元へ行き、褒美の話をした。
辺境伯から相当のお礼と恩を得たことで、今回も望みを聞いてくれるそうだ。
ただ、褒美とは別に大変なことにもなっているそうだ。
今回の戦争の件で虹色の不死鳥の名前が話題になっているそうだ。
もちろんそんな貴重な魔法を使えるなら貴族がほおっておくはずがない。
何でもDランクの冒険者ってことまで既にバレているみたいで貴族達が権力でどうこうしようと動こうとしているそうだ。
イザーム様も伯爵家までならどうにか出来るが、それ以上となると難しいそうだ。
その件もあってどうするか一緒に考えてくれた。
一つはイザーム様の知り合いの侯爵家に後ろ盾になってもらうこと。
二つ目は冒険者本部で面倒見てもらうこと。
三つ目は違う場所で早急に冒険者ランクを上げて貴族から手をだされないようにすること。
細かい内容を考えればきりがないほど一緒に考えてくれた。
イザーム様達みたいな貴族が稀であるため、俺は2つ目の冒険者ギルドの本部に行くことにした。
本部は王都とは真逆で貴族が統治していない場所だそうだ。
この国の北に隣接しており、一つの国家としてあるそうだ。
また近隣にはダンジョンが多くあるらしくレベル上げには最適だと聞いた。
サンターナ伯爵として冒険者ギルドに推薦状と現状を手紙にしてくれた。
冒険者ギルドも優秀な冒険者には手厚い保護をしてくれるみたいだ。
あれよあれよで話は決まっていき、報酬を3つ程貰って今は冒険者ギルド本部へ行く準備をしている。
褒美の内容はこれだ。
一つ目は前回と一緒で魔導書と魔道具を一つずつ。
二つ目は旅の資金として金貨30枚をいただいた。
最後の三つ目は奴隷商への紹介状である。
魔導書は前回と一緒のウインドパレットとそれ以外にもクリーンと槍術スキルがあった。
俺は迷わずクリーンの魔導書を選び、魔道具に関しては今後の旅に役立つ簡易テントの魔道具をいただいた。
何故、クリーンだって?
宿屋では体を拭う桶とタオルのみで水で体を拭くのだが、寒いのなんの…。
今後の長旅で馬車でのことを考えてもクリーン一択である。
もちろん水の魔道具はあるものの、優雅に体を洗う余裕があるか解らないため安全第一である。
もちろん今では不死鳥のおかげで簡単には負けないが剣術スキルなどを持っていない俺では盗賊と戦うことを想定すると接近戦に不安が残るのである。
えっ、なら尚更槍術スキルだろう?って…、スキルをとった瞬間の俺と長年培ったスキルでは熟練度や技術が違うのさ。
うん?俺は誰になにを言っているんだ…、アハハ。
だからこその2つ目と3つ目の褒美を選んだのだ。
そう、お金で奴隷を買うつもりだ。
もちろん奴隷と言う観点では日本にいた時には想像もつかなかったが、この世界では奴隷が当然のようにいる。
戦争で負けた国の奴隷、貧しい家庭での奴隷、訳ありな奴隷など多種多様である。
この国での奴隷の扱いはよくないらしい、だからこそ俺は必要と思える人材は遠慮なく奴隷を買うと決めた。
貴族が遊び半分で奴隷を買うぐらいなら、俺が必要と思える者を大切に扱うほうがよっぽどいい。
まあ、それは上辺の言葉で、俺は俺のために奴隷を買う。
何の因果かわからないがパーフェクトヒールを覚えられた俺の一期一会と割り切っている。
もちろん奴隷だからといって酷い扱いをするつもりはない。一人の人として扱うと決めている。
こうして、イザーム様の紹介状を持って早速奴隷商の元を訪れた。
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鉄貨→10ギル
銅貨→100ギル
銀貨→10,000ギル
金貨→1,000,000ギル
白金貨→100,000,000ギル
1ギル=1円
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