はうまっち
dede
How much is it worth?
「喧嘩売ってる訳?このつぼみ、紋章がないじゃない」
「あいたたた」
「自業自得じゃない。お嬢様の我儘をきく役を買ってでたから、ツテでもあるのかと思ったわ」
お嬢様に蹴飛ばされた同僚は、痛めたふとももを濡らした布で冷やしていた。
「いけると思ったんだけどなぁ……」
「今からでも本物を探して来たら?ツテなしじゃ手に入るとも思えないけど」
今、とある花屋で売られている花が市井で人気を博している。
その花屋はお店の紋章と共につぼみの状態の花を販売している。
そのつぼみから花に変化していくのを今か今かと待ちわびて、咲いた花を愛でるのが今の上流女性のステータスらしい。
「これ本物なんだけどな」
「え?でも紋章ないじゃない」
「他で騙くらかすのに使ったんだ」
同情も湧いてこない。
「やっぱり自業自得じゃない」
「お嬢様の審美眼なら気づくと思ったんだけどな」
「どうするの?」
「もう一度手に入れるかな。折角だ、このつぼみ、良かったらどう?」
私は少し考えたが首を横に振った。
「んー、要らない。
私に、そのつぼみの価値は分からないもの。紋章の価値ならまだ分かるけど」
はうまっち dede @dede2
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