冬はあれど紅梅あかくうめしろし

【読み】

ふゆはあれどこうばいあかくうめしろし


【季語】

冬〈冬〉


【大意】

冬はあるが(=まだ冬だが)コウバイはあかく、ウメは白いことである。


【付記】

コウバイ(紅梅)もウメではないかと言われそうである。しかるに往時は、コウバイはウメと区別する習いであった。すなわち、「ウメ」はデフォルトでシラウメを指す了解がかつては存在した。


俳句では立春をもって春のはじめとする。地域にもよるだろうが、春をむかえる前にウメが咲く場所は多かろう。それこそ新春にウメが咲いてもわたしは驚かない。


【例句】

梅つばき早咲ほめむ保美ほびの里 芭蕉


一枝の寒紅梅や妻が春 杉風さんぷう

鎌倉の僧こととはん冬の梅 露沾ろせん

夜神楽よかぐらや戸のあくかたに冬の梅 野坡やば

冬梅や臼と手洗の間より 兀峰こっぽう

寒梅や熊野の温泉でゆおさがもと 蕪村


月はあれど留守のやう也須磨の夏 芭蕉

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