チーム『Sky』—ソラ—

 ジンに任せたと、言われた。それならやるしかないな。


「二人とも!後ろにある隕石2つを頼んだ!」


「分かった!」


「任せて。」


 ふぅ。


 安心できる。二人なら大丈夫だ。


 集中する。


 俺はパリィしか出来ない。というかそれが得意なのだ。


 落ちこぼれって事は分かってる。最初の方は、それが上手すぎて強いと思っていたが、今ではパーティの中で一番弱い。


 それのに、あんな失敗もしたのに、皆は俺を通報せず、リーダーでいさせてくれた。


 それに応えるのだ。


 チャンスは一瞬。ミスったら死ぬだけだろう。


 深呼吸。落ち着け。いつも、こんな感じだっただろ。


 それをもう一度、やるだけだ。


 来る。


 隕石の先が剣の中心部分にくるように調整しつつ、本気で剣を抜く。


 抜刀術を応用とした、パリィ。


 ソラが出せるパリィの中で隙が大きく、防御が全然出来ない分、パリィが一番強い。


 ソラなりの努力によって手に入れた、オリジナルのパリィの一つである。


「でぇぇぇいぃっっ!!!」


 隕石の先が、剣の中心部に当たる。


 キン


 当たった場所が光に包まれ、隕石が弾き飛ばされる。


 良かった。上手くいった。


 ほっと息をつくと黒い霧に体が包まれている事に気づく。


 何だこれ?


 そう思っていると、何だか苦しくなってきた。


 二箇所から衝撃音が聞こえた。


 一箇所目はジンが地面に激突した音。黒い霧に包まれているが、消えかかっていた。


 二箇所目は、レンとヴィーロがいた所からだ。振り向くと、隕石は無くなっていたが、二人とも黒い霧に包まれ、もがいている。苦しそうだ。


 ドクンドクンドクン


「がぁっ...」


 俺は心臓を抑える。


 痛い。苦しい。目の前が黒くなっていく。


 これは意識が消えかけているのではなく、黒い霧のせいだ。


「ハァハァ...」


 何とか堪える。だが、地面に倒れた。


 二人はどうなったのだろう。そう思って見上げると、黒い目を宿し、甲冑に覆われている。


 あんなの二人は着ていない。どう言う事だ。


 意識が途絶えそうになる。目の前が真っ暗になっている。だが、耳は生きていた。


「ふーむ。二人は成功。二人は失敗ですか。失敗した人間は殺したいですが、成功した人間を。」


 何やら声が聞こえる。成功?失敗?何の話だ?


 俺の意識はそこで途絶えた。


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