チーム『Sky』—ジン—

 こいつはデカい。割れた隕石の中で一番デカい。


 これは俺がやらなくては。


「ソラぁ!!このデカいのは俺がやる!他のは任せてた!」


「おう。」


 その一言に安心する。


 そして、力を込める。


 右の剣に「俺の世界を受け入れろアクセプト・オブ・ザ・マイワールド

 

 左の剣に「他の世界を受け入れろアクセプト・オブ・ジ・アザーワールド」という技を。


——ついでだが、彼がそれらの白黒のせかいを展開出来るようになるのはもう少し後の話である———


他の世界を受け入れろアクセプト・オブ・ジ・アザーワールド」で敵のあらゆる耐性を無効化出来る。今回の場合は隕石だが、敵の攻撃だ。やっておいて損はない。


 デメリットは耐性によって体の負担がかかる事か。また、効かない敵もいるはいる。


俺の世界を受け入れろアクセプト・オブ・ザ・マイワールド」では、自身の命令や条件を相手に強制させる。


 これもデメリットは同じ。


 概念無効ゼロ・ワールドと違い、無効化も出来るし、設定も出来る。発動には敵の耐性がない状態での体に当てる、というのが必要。


 何故なら、耐性があると、多分死ぬ。体に当てるのは、それ自体に効果を与えるから。


 俺は2つの技を使い、空中に飛び出す。


「くらぇっ!他の世界を受け入れろアクセプト・オブ・ジ・アザーワールド!」


 隕石にこの左手剣の技を喰らわせると。


 剣がぶっ壊れ、体に亀裂が入り、血を吐く。


 頭が揺れる。ただ痛い。


「こんなに...耐性がぁ...あるっのかぁ...」


 ハァハァと息切れしている。一度地面に着地し、再び空中に飛び出す。もう足は使いものにならない。


俺の世界を受け入れろアクセプト・オブ・ザ・マイワールドッッ!!!」


 ガガガガガガガガガッッッ!!!


 剣が揺れ、体が恐怖している。これは、使うと死ぬかもしれないサイン。


 それでも。これを止めなければいけない。あいつらのためにも。


「消滅しろ。おまえは元々俺の世界このせかい。」


 隕石がぶっ壊れ、跡形もなく消滅した。


俺の世界を受け入れろアクセプト・オブ・ザ・マイワールド」の最大最強の技。相手の耐性が存在しない時、この技は死ぬギリギリまで自身も体の負担がかかる分、相手を消滅する事が出来る。


 また血を吐く。頭も痛い。全身はもう動かない。目の前も、真っ暗だ。


 やって、やったぞ。皆。


 そう思ってジンの意識は途切れた。


 意識の離れた体はただ、地面に落ちるのを待つだけだった。


 だが、ジンは、戦いに集中していて、気が付かなかった。


 体が黒い霧に包まれていることに。


——————


作者から

ここからチーム『Sky』の物語が始まります。

本編まだかよって思ってる人には申し訳ないのですが、我慢して下さい。計3話です。


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