エピソード2 空中はお好きですか?

 ゲートを抜けるとそこは空だった。地面が無くて、足は地面を踏むと思っていたのだ。


 めちゃくちゃビビった。


「うわぁああぁあ??ぁぁあぁあ!!」


 最初は嘘だと思って叫んだが、本当だと気づくと恐怖でまた叫んだ。


「ミロ!どうゆう事だぁあぁあ!」


 急降下しながら、聞こえるように大声で言うと。


 スカートと帽子を抑えながらミロが叫んだ。


「私の魔力量が空っぽだったのぉ!」


「なるほどね!場所までは指定出来なかったんだね!!!」


 叫びながらツッコミを入れた。


「どぉすんのこれ...」


 やっと地面が見えてきた。さっきまでは雲が見えてた。


 死ぬんですかね。前に死ぬとか言われたんで来たのに死ぬんですかね。嫌ですよ?流石に。


「ミロさぁぁぁあん!!」


「大丈夫!聞こえてるよ?」


 違うから。あなたのせいなんです。それを言おうとしたんですぅぅ...。


「何とかなる。大丈夫だよ。」 


 ミロがにこっと微笑む。


「ジン!概念無効ゼロ・ワールドを使って私の魔力量を回復して!」


 なにそれ。どーやるん。そう思って聞こうとすると。


「そーだった。あなた知らないものね...」

「でも、だし...引き継がれてるはず...?」


 ブツブツ何か呟いている。


 ミロさん。もう地面まであと少しですよーー。


「いーから、概念無効ゼロ・ワールドって叫んで!多分頭凄く痛くなるけど!」


 ええい。死ぬなら後悔しないで死ぬしかないだろ。


概念無効ゼロ・ワールド!」


 白黒のせかいが広がる。しかし、頭が焼き切れるほどの痛みに襲われる。


「ぐぅうぅ...」


「それでOK!あとは魔力量がない概念を無効にすると、考えて!」


 ミロの言われる通り、凄く痛いが、死ぬよりもマシだと思い言われた通りにする。そうすると急にミロが叫ぶ。


「よし。いける。空中歩行エアウォーク!」


 体が羽のように軽くなる。そうして、地面につくと、痛みは消え、白黒のせかいも消えていた。


「ほら、何とかなったでしょ?」


 そもそもミロが悪いんですよ、という言葉は言いかけたが、やめた。

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