Episode 028 それは、稲妻のように青い?


 ――衝突するライトセーバー同士。火花のように散った、青い閃光。



「邪魔するな」と、私の声。別人格を超え、私の声。


「どうした、どうした? 中途半端だな、成り切れてないぞ、別人格」


 マコちゃんを守るように、葛城かつらぎさんは受け止めた、私の剣……それも片腕で? 左腕だけで受け止めている。ワナワナと震える私の心の色は、まるでワインレッドように。


「ふざけるな、ぶっ殺すぞ」


「もっとぶつけてみろよ。教えてやるよ、別人格にも成り切れてない今のお前は、自分の敵じゃないってこと。別人格じゃないお前は、戦い方も噛み合ってないよな? 剣は使わずに、御得意の催眠術ってやつを使うよな? 何もかもが見っともなく中途半端だ」


 葛城さんはせせら笑う。込み上げるものは怒り……


「わあ!」と怒号を上げる程に。悉く躱される私の攻撃は……


「怒り任せだな、ほらほら、もっと来いよ」


 と、挑発を続ける葛城咲姫さき。何が目的なんだ? とチラつく自問自答。


 その瞬間だった。滑る太刀筋、本当に激しい一撃だった……


 青白く目の前が覆われ、そこから先は、もう痛みもなくなった、身も心も。つまりは闇に葬られた? 思えば、思えばそうだったかもしれない。彼女の言う通りかも……


 私もまた、マコちゃんや皆を利用していた。


 いい子でいたいと思うあまり、催眠術を封印していた結果が、この有様でこの結果だ。


 悪役は、やっぱり悪役なのかな? 葛城咲姫は、やはり正義。成敗されて当然だったのだろう。その中で蘇るのは痛み。丁度お腹の辺り。斬られた場所だ……



 ぼやけながら見える景色は白く、徐々に輪郭が現れる。ここは? 医務室のベッドの上だった。今はというと、まだ茜色。窓の外に見える彩り。目の前に……


「気が付いたかい?」と、サンタ君の優しい声があった。穏やかな表情も一緒に。



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