第六章 琥珀色の夢。
Episode 026 それは、浮かぶ輪のように?
――果てしなく広がる宇宙。
土星に輪があるような、そんな感じのイメージ。ふと脳内に浮かぶ光景。
輪を大切にと、この季節に思う。ボッチだった頃、憧れだった。
素敵な仲間と、素敵な恋。そして繰り広げる青春。物語だった。
物思う秋。どちらかと言えば、冬が近づく方の秋。銀杏並木も通り越し、お空はキラキラとお星様。流れ星にロマンを抱くような、そんな感じの季節。だから……
まずは恋する乙女に憧れる乙女。
でも、いつしか変わっていたの。離れている間の、募る想いの正体が解るほどに。それが恋だと自覚できるようになった。サンタ君が帰ってきてから、違うの……
これまでと、明らかに。
もう戻れない、お友達ではなく恋人へ、発展途上。
きっと一緒にいることが、何よりも、何よりも大切な一ページ。それだけは、私の中にある別人格でも奪うことはできないの。別人格の名はミカという。天使のような悪魔だ。
噂によれば、そのようなの。
マコちゃんが流した噂……
あの日以来、私は口を利かなくなった。彼女とは関りさえもなくしていったから。それが故の漫画部の解散。解散無用の解散ということだった……
お別れの言葉も、そこにはなかった。
再び会うための、約束さえも与えられずに。
次に会う時には、私が私でなくなっていて、剣を交えている時。剣と剣がぶつかり合って、交わされる心の声。その時に解る、各々が求めている質問に対する答え。
もしかするのならば、彼女が作ったシナリオに、私は演じさせられていたのかもしれない。とある魔法少女の物語。私の別人格も利用しながら……
思い出してみて。辻斬りの日に何が起こっていたのかを。そこにその場面があるはず。
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