Episode 023 それは、必殺で必中なのか?
――お外まであと少しの曲がり角、見事なまでの正面衝突。
しかも、駆け出したところだから、尻餅は当然。でも、驚くのはこれからだ。
起き上がると同時に向かい合わせ。お互いの顔を見ることになった。ここであったが百年目と言わんばかりのシチュエーション。目の当たりにしたのは彼女。とあるアニメの最終回みたいに食パンを咥えていることなどなく……ただ、見えちゃっているの。
「おいおい、女相手にパンツ見せてもな。そんな趣味はないから」と、ハスキーボイスが迫る中、ササッと私は捲れたスカートを直した。お顔も熱く、その中で緊張も。
「
と言いつつ、立ち上がった。パンパンとスカートの埃を叩きながら。
髪は長く色白。ややポッチャリ気味で、私よりも十センチ程、身長は高そう。制服は同じもの。私が着ているものと同じ。それに……リボンの色まで、同じ緑色なの。
「ほれ、立てよ」と言いながら、手を差し出して、私を引き起こした。
「どうゆうつもり? 今の私に興味はないって?」
「見りゃわかるってこと。お前は今、ありのままのお前だから。別人格ではないよう出しな。名前も、
……などと言っている。
身に覚えなどなかった。私が私でないような、そんな出来事だから。
「どうしよっていうの? 何が狙いなの?」
「狙いはただ一つ。別人格のお前を斬る。それだけだ。それが自分の、果たさなければならないミッションだからな」と、目を細めて言った。
その場は別れた。
でも、この学園の敷地内にいる。同じ学校の、同じ学園の生徒だからだ……
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