Episode 013 それは、それはそれは……?


 ――迎えた十三回目。十三日の金曜日ではないけど、十三回目のエピソード。



 プレハブに揃った四人の手で書き上げた。役割分担も、その頃には決まっていた。時は八月の初旬。もうすぐお盆……なら、白い世界の中で誰かに会えるかもしれないけど、今はまだ早いと思える。この四人が揃ったのなら、やりたいことは倍増していた。


 その中で、謎にぶつかる。


 白銀のペンダントの正体。或いは、私の持つ能力の正体について……


 何故そう思ったのか?


 最近だけど、違和感があったから。


 催眠術と思っていた能力だけれど、本当にそうだろうか? その都度、書き換えられているような感じがしたから。私が今、ここにいることも、お祖母ちゃんのお家にいることも。それまでは親戚を盥回しにされていたのだけど……その頃のことが消えているような気がして。本当は初めから、私は、ここにいたような気もしてきて……


 でも、それも違う。


 その奥で翳り。思い出せない程の何かがあったような感じもして……


 その謎も、知りたいという思いが芽生え。この四人なら、私の思っている謎に挑むことができそうな、そんな前向きな心に変わってゆくような、そんな感じだ。


 だから描く。私は漫画の絵を描く。サンタ君はシナリオ担当。マコちゃんはリーダー的存在で、ペン入れなどの担当だ。そして剣崎けんざき君……もう私たちの中では、


 ブン、と呼んでいる。


 いつも笑みを浮かべ、そしてポッチャリとした体格。風景などの絵は、意外と繊細に描かれている。見掛けとは違った裏の顔のように。まるで二面性との表現。


 夏休みには入っている。


 だからこそ、クラブ活動に熱中だ。金属バットの音も響く。野球球児たちの雄々しい声がマーチングソングのようで、私たちに励ましを送っているようだった。



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