Episode 012 それは、紐解く因果の関係?


 ――そう。ゆっくり揺れる白銀のペンダント。それは、心を揺らす効果なのか?



 白銀に描かれている模様は、不死鳥の如く……


 時として、不気味に思えることも幾度か幾度か……


 その男の子は静止した。瞳は瞬きを忘れ、揺れるペンダントを追っている。そこに言葉や呪文などは存在しない。私の思っていることが、彼の脳に直接流れるから……


 ――君の名は?


 すると答える、彼の口が勝手に。剣崎けんざき文八ぶんぱちと。


 体は名を示す。竹刀と剣。袴姿が似合いそうなイメージ。サンタ君の肩を叩いた太刀筋を見るにも、相当な腕前だ。そこで糸が切れるように、パチンと音を立てる……


 それで完成するのだ、私の催眠術は。


「あ、あれ? 何で俺はここに?」と、竹刀を持ちながら、剣崎君は辺りを見回す。思った通りに彼は、ここでしたことを覚えてないようだ。すると、するとだよ、ダッと音を立てて寄ってきた、私の傍に北浜きたはま真琴まこと、マコちゃんが。


「すごい何したの? イトちゃんって只者でないと思ってたけど、もしかして……」


「これ、内緒ね。実は私、魔法少女なの」


「やっぱり! ドンピシャ! これで漫画の方もバッチリだよ」


「ン? 何で?」「魔法少女が事件を解決していく物語。しかもサンタ君のシナリオと繋がっていくから」「それって?」「そっ、イトちゃんが主人公になるんだよ、この物語」


 ハッとなった。


 そういえば、サンタ君の怪我は?


「ああ、大丈夫。剣崎君は咄嗟に力を緩めていたようだから。……悪い奴じゃないようだね。なら、どうだろう? 彼を仲間にしてみたら。これも何かの縁というものだね」


 その目力は、多分、剣崎君に有無の選択肢を与えないため?


「そうだね、今日から俺も手伝わせてくれないか? 罪滅ぼしに」と、いうことで……



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