Episode 010 それは、GW前の山場かな?


 ――四月も終盤。この次の季節が暑い風で煽ってくる。



 もうすぐGW。つまりゴールデンウイークも間近だけど、だからこそ決意に繋がった。


 突入するプレハブ。そこには看板があったから。


 漫画部と表記されている看板。一人よりも、意気投合している二人……開けてみた早速も早速、グレーのスライド・ドアを。その中にあった、私たちがイメージしていたこと。


 キュッと響く足音……


「ようこそ」という言葉は奥から? 確かに私たちに向かった「青空」という単語。すると顔合わせ……「来たんだね、イトちゃん」という台詞も織り込みながら。と、いうことはだね、そこにいたのは……「マコちゃん」だったの。同じクラスの北浜きたはま真琴まこと


 一人よりも二人。目撃したのは私だけではなく、サンタ君もまた同じ。今日ここに部員が加入。とはいうものの、漫画部の部員は何人? 会ったのはマコちゃんだけ。


 すると語る、マコちゃんが。


「先輩が一人、いたんだけど、辞めちゃったの、一週間前にね……コンテストあるんだけど、私一人じゃ、初めてだし、どうしようと思ってて」と言いながら、伝う涙。


 ――えっ?


 ギュッと抱きしめられた。マコちゃんが私の身体に抱きついてきた。


「イトちゃんたち入部するんだよね? 一緒に漫画を描くんだよね?」

 と、泣きながら。すると……


「そのために来たんだよ、僕ら。糸子いとこちゃんと完成させたい漫画があるから、君にも協力してほしい。一緒にコンテスト頑張ろう」と、サンタ君が力強く励ましたの。


「う、うん、ありがと。星野ほしの君だったね」


「ところでコンテストはいつ?」「九月一臂……」「小説なら十万文字レベル?」「そんなところかな? 私も初めてなもので手探りなの」と、ここにいる誰もが初体験なこと。


 新たなる課題が、早速も山積みだった。しかも、部員は一年生が三人だけ。



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