Episode 009 それは、春風に乗るワルツ?
――耳を澄ましてみて。
ほら、聞こえてくるでしょ。五感を通じて奏でられるリズム。川のせせらぎも小鳥のさえずりも、緑広がる大地もここにはあるの。……まるでワルツ。
ゆったりとした目覚め。
温い風の中での目覚め。
一瞬、お休みかと思ったけど、今日は紛れもない登校日。しかも週の初め。起きなきゃと思いつつも、また布団の中に身を入れて、そのままぼんやりと、ぼんやりと……
すると、縁側のような、それでいてお庭のような場所から、とても近い私の部屋。
そのためか、起こしにくるケースがあるの。
「朝だよ」と、サンタ君の声が聞こえてくる。
思えば、入学式から二週間近く。サンタ君が起こしにくるのも定番となって、もう慣れっこ以上にルーティンと化していた。襖を開けられても迎えられる準備は整って。
桜ももう葉桜……
お次は夏に向かってまっしぐらだ。
炭酸系の飲み物を、乾いた喉が欲しがっていた。喩えるならラムネだけど、また夏の風物詩には早く、今はクラブを選ぶことが課題となっていた。今日はその日、正確にいえば第一歩となる日だけど、どのクラブも興味とか、入部会したいとか……
そのようなイメージも浮かばなかった。
でも、それらを理解するために、クラブは捜し続けた。そしてだ、体育館で各クラブのアピールがある。そこで私は思う。……新しいクラブが誕生することを。
登校したならば、相談しようと思っていた。
漫画部という始まったばかりのクラブ。それでもってアピールは、顧問の先生によってなされてゆく。映像関係はまだなく、手順書だけの存在。今はもうお昼、
「次は漫画部」と号令がかかった。今はもう前で、かぶりつきの状態だ。
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