Episode 005 それは、グローバルな関係か?
――国境など関係なかった。人の出会いと、親睦を深めるにも。
そんなに時間はかからなかった。出会ってから、お家での共同作業に至るまで。
同じ春休み期間……というのか、入学までの期間。私は中学一年生になる。学校へ通ったのなら。そして
「同じ学校でピカピカの一年生」ということになる。
そして今はお家で、漫画を描いている。シナリオは考えた、二人で。……とはいっても殆どサンタ君が考えた物語。何しろ、ラノベを書いているそうなのだ。しかも、
「とある小説サイトの『書くと読む』で、物語を連載しているそうだ」
教えてもらった、サンタ君が書いている作品。そして登録もしたの。読専から始めたけど、実のところは、読書はあまり得意ではない。読むスピードは亀よりも遅く、
「読解力も胸を張れずに……」と言ったら、ニッコリとサンタ君がね、
「大丈夫。気軽にでいいから」と言うから、読んでみる。紙で読むのとは大分というのか……かなり違って、ハッと驚きつつ「読みやすいし、とっても面白い」と、感想まで述べていた。人生初の電子書籍。私のPCに登録された。……以前とは違う世界観。
モノクロからカラフルに。
サンタ君のお家は、とても近く縁側と言うべきなのか、お庭というべきなのか、その向こうにある。二階建ての一軒家。御両親とはまだ御会いしていないけど、近々。
お祖母ちゃんと一緒に御挨拶に行く予定。
最近越して来たそうだ。海の向こうから。つまりは海外。遠くアメリカから。日本の文化を学びに来たとのこと。なら、初めて会った日本人が、私で良かったのだろうか?
回転する、グルグルと。
その思いが、リフレインのように繰り返される。脳内でリズムをとりながら。
でも、解消される。サンタ君が「一緒に学校へ行こ」と、言ってくれたから。
その日の朝が来たなら、二人で仲良く登校しようと、私も密かに願っていた。
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