Episode 002 それは、本当にチートな能力?
――ストレートに述べるなら、白銀のペンダントに隠されていた秘密。
それは、購入したものなのか?
誰からか頂戴したものなのか?
或いは、発見したものなのか?
何れも記憶に残っていなかった。ある日突然……考えにくいけど、とにかく手にしていたものだった。その謎を解く鍵も、私がボッチになる理由も探し求めていた。
昨日までの自分のことが思い出せなくなって……ただ、自分がどのようなキャラクターで、どうしたかったのか、それを探し求めようと思ったのは、秋ぐらいになってから。
でも、脳内は真っ白……
なぜ今のような状況になったのか? 何がいけなかったのかもわからないまま……
そんな中で浮かんだもの。
ぼんやりとだけど、幼き日に一緒に遊んだ、ある男の子のこと。
とても優しい子だったのは覚えている。黒髪のお坊ちゃま風な、とても可愛い子。小学生の低学年だったか、幼稚園の頃だったか、その辺りの記憶。マ行だった。名字も名前もどちらも。きっと十年もの間、唯一のお友達だったように思える。幼馴染という名の。
――そして、その男の子に会うことが、ここから先の目的となった。
そう決めた日に、私はパパに乱暴された。殴る蹴るではなく……首を絞められて。その時、ママはジッと見ていた。……苦痛に歪む私の顔を、微笑みを浮かべながら……
意識が朦朧とする中、懸命に揺らした。白銀のペンダントを。
何を思って、何故その行為に至ったのかは謎だけど、とにかく本能的というものだろうか、死ぬのが怖かったから。必死に足掻いた結果だった。それが催眠術ということを後に知ることになるけど、今はママを動かした。持たせたのだ、黄金のバットを両手で構えさせた。それでママは殴った、パパを。力は緩んだ。私の首からパパの両手が離れた。
その隙に私は起き上がり、そのまま飛び出した、外へ。暗い夜の帳の中へと……
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