登山

山の話をしよう

君は登山の初心者だ


山を登ると気分がいいね、みんなもそれを褒めてくれるみたい

でもその山はもういろんな人が登ってるみたい

時間が経てば、みんな忘れる

「そんな山、登山家ならみんな登ってるよ」

努力が否定された、無駄だったみたい


じゃあ高い山、寒い山、熱い山、辛い山

少し目標を大きくしよう

なんとか登りきったね

いい景色だ、確かに大変だったけど、登りきった景色は格別だ

みんなも褒めてくれる

時間が経つ、時間が経つ

「3年でそれだけしか山に登ってないの?」

笑われた、否定された、これでもダメか


じゃあこの山を登ろう、

どうせ中途半端な山を登っても、時間が経てば否定される

装備も足りない、能力も足りてない、けど登るしかない



結果どうなったか、滑落死になるかと思われた


そこに一縷の希望が訪れる


「危ない!!」


彼の手を掴んだのは、ある登山者だった

危なかった、死ぬところだった

なんとか拾い上げられて、その登山家と会話する


「君もそのクチか」

「僕と同じだな、目標を高くしないとダメな気がしてくるよね」

「登りたいだけなんだ、山を」

「それを否定してくる人がいる」

「そんなのってない、とそう思わないかい?君もさ」


その登山家との会話は弾みに弾んだ

愚痴ったり、山の雄大さについて語ったり

そしてなんとか登りきった、2人で協力しながら


その山頂で

「僕たちって気が合うね」

「一緒にいろんな山を登ってみないかい?」


絶望の世界に一筋の光が降り注ぐ

人の評価に左右される彼に必要だったのは

同じ志、境遇を持つ、同士だった

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希望話集 終わったヒト @owattahito

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