007

 んじゃ注文の塩ネギと醤油ネギを作ろうかね。


「そう言えば泥棒猫、ウチの野郎共は何を頼みました?」


「え?塩ネギ二つだにゃー」


「はあ!?塩ネギ!?男のくせにラーメン単品ですか!?カイトのお店に貢献しようとは思わないんですかあなた達は!!」


 なんか腰に手を当てて、片方の手で指をピッと差した。


「し、しかし塩ネギはうまいから「そんなの当たり前です!!カイトが作ったラーメンですよ!!」そ、そう……」


 ルークスの困惑。どうすりゃいいの?って顔になっていた。


「お嬢様、俺は急に唐揚げが食べたくなりました」


 大きく頷くセレス。ルークス、そう言う事なのか!?とか顔に出ていた。要するにもっと注文しろって事だよ。だがしかし!


「ルークス、マルコ、無理しなくていいからな。無理に注文して残された方がムカつくし」


 事実そうだ。残すんだったら頼むんじゃねーよと言いたい。


「と、カイトは言っていますから、唐揚げ二人前程度にしておきましょう。いいですね?」


「お嬢様の心の儘に」


「は、はあ……」

  

 二人の反応の違いが明確に出ていて実に面白いが、マジで残した方がムカつくからな?注文したからには食べ切ろよな。


「……ルルさん、二人は何を注文しましたか?」


「え?醤油ネギ二つにゃ」


「……醤油ラーメンのネギトッピングですか。旦那様のラーメンは何を食べても美味しいですし、トッピングも何を選んでも外れはありません。ですが、少々物足りないのでは?」


 めっさガンを二人にくれる。わざわざセレスに対抗しようとすんなよなぁ……


「しかしルシフ様、カイト様も仰ったように、残すよりも「冥王様、急に餃子が食べたくなったのですが」アンタも乗っかるの!?」


 大きく頷くルシフ。青ざめるハイデマリー。注文しようとしているヒルデガルドはドヤ顔だ。実に気が利いているだろうと。しかしだ。


「ハイデマリー、ヒルデガルド、無理しなくていいぞ。残すよりは絶対にいいからな?」


 こいつ等は女子だから、野郎のルークスとマルコよりも残す可能性が高いし。


「……旦那様がそう言っていますので、肉野菜餃子二人前にしておきましょうか?」


「冥王様の仰せの通りに」


「……アンタ、私が食べきれなかったら、私の分も食べるんだからね」


 若干の恨みの目でヒルデガルド見ながら言うハイデマリー。つまり、残した場合、折檻はヒルデガルドにだけ、と言う事だな。


「じゃあ追加注文でいいんだな?」


「それはもう!」


「……その通りです旦那様」


 お前等に聞いてんじゃねーんだよ。実際に食べる奴等に聞いてんの!!つか、注文しないんだったら商売の邪魔だから出て行けよな!!

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