006

 まず、持ち帰りメニューを作ろうか。肉ギョーザ6つに肉野菜ギョーザが4つ、唐揚げ6人前、それに海鮮塩焼きそばだったな。


「カイト!この根暗女を退かしてください!いつまでたってもご飯を食べられません!」


「……旦那様、性悪女は出禁にした方がお店の好感もアップします」


「はあ!?出禁はあなただってんです根暗女!後出しの泥棒の分際で調子に乗るなってんですよ!泣かせますよ本気で!!」


「……私は側室を認める良き妻ですが、あなただけは駄目です。旦那様の品格が疑われます。大人しく天界に引き籠ってください性悪女」


 ギョーザの類は焼けば完成だ。唐揚げもすぐにできるように下拵えはしている。さて、今日は焼きそばのデビューだな。気合い入れるか。


「カイトさん、醤油ネギ2つと塩ネギ2つにゃー」


「おーう」


 テーブル席は注文決まったか。こいつ等座りもしないでまだやってんのか。


「大体ですね!カイトは私が最初に喚んだんですよ!あとからしゃしゃり出てきて妻だ何だと!図々しいのも程がありますよ!!」


「……側室は認めると最初あなたに譲歩してあげたのに、それを断ったばかりか暴言の羅列を吐きましたよね?慈悲にも限界はあるんですよ?」


「勝手に側室を認めればいいじゃないですか!ただし、相手はこれから他の人を捜してくださいよ!!」


「……私の相手はもう決まっていますが、あなたは孤独死でもするんですか?」


「肉ギョーザ6つに肉野菜ギョーザが4つ、唐揚げ6人前、それに海鮮塩焼きそば上がりだ。持って行ってルル」


「は、はいにゃー……」


 そーっと視線から逃げるように回って注文の品をライオン丸に渡す。


「悪いなルル…いくらだ?」


「5300イエンですにゃ」


「おう…つか、最初紙幣はどうかと思ったが、慣れたらこっちの方が持ちやすくていいよな」


「もっと流通すればもっと便利になるにゃー」


「じゃ、今度はゆっくりしてえな…また来るぜ」


「「「「ありがとうございましたー!」」」」


 ぎょっとしたのはライオン丸。礼を言ったのは俺とルルだけじゃない。セレスとルシフも言ったからだ。


「ちょっと!何を接客してんですか!!あなたのような根暗は接客業に向いていないんですから、邪魔はしないでくださいよ!!」


「……旦那様の仕事を手伝うのは妻の役目。関係ない人は首を突っ込まない方がよろしいかと」


 座りもせずにまだやってんのか。つか、お前等は絶対に手伝わせないから安心しろ。店潰したいんだったら兎も角だ。

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