第6話 初めてのテイム
さてと、やっぱり少し気分も良くないし普通に深夜なので疲れているが…まずコイツをどうにかしないとなぁ。
正直に言うと俺は鈍感系主人公ではないのでコイツが俺に懐いているのは分かっている。だから…
「なぁ俺がお前をテイムしたいんだが…」
そう言うがコイツは分かっているのか分かっていないのかじっとキラキラとした目をこちらに向けて動かない。
「まぁ良いか、嫌ならやんないだろ」
そう言ってから俺は指を刃で切り血を出す。
この世界のテイムは血を交換し合うことでテイムが成功する。血には魔力が通っていて魔力を渡し合うことで何とかみたいな…感じだった気がする。
血の垂れる指を差し出すと舐められる。その事にひとまず拒否をされてはいないと安心する。
ゲームなら一文で終わるが現実ではお互いの理解も必要だったりする。だから尚更テイムは難しくなると思っていた。だから俺が今日テイム出来たのは本当に運が良かった。
次にテイムする側の血が必要になるがどうするか…と思っていたら前足を出して来たのでコイツめっちゃ頭いいなと思いながら刃を当て、出てきた血を飲む。見た目はホント見たまんまで血だったし、飲むと想像通りやはり不味かった。
「宜しくな」
ニィーと鳴き返してくれる。めっちゃ可愛いんだけど、もうこれ癒し枠だろ。
「どうすっかな…」
頭を撫でながら呟く。俺が考えてるのはコイツの名前。
見た目を連想させる色を使った名前を付けると何となくそれっぽくなると思ってる。毛色は赤だから、レッドとか?流石に安直過ぎるか。
こういう名前系って漫画とかの転生者だとドイツ語だかフランス語だか知らんけど良く参考にしてるよな。ホント何で知ってんだろうな。謎知識…
うーん後は種族名とかだとブラッドスティールレパードなんだよな。レッドとレパードの同じレとドでレドとか?もう少し言いやすい方が良いな…
「レト…レトだな」
頭に?を浮かべるレト。
「お前の名前」
と言うと嬉しそうに尻尾が揺れる。
何とか決めれて良かった。ゲームだと種族名そのまま派だからこういうのはやっぱり苦手だな。でも逃亡する時にて偽名というか新しい名前必要だよなぁ。…今は考え無くても良いか。
その後は急いで家に帰り、寝まくった。吐くことも無かったがやはり気分はしばらく優れなかったし、単純に深夜まで起きているのは子供にとっては辛かった。
ベットに篭っている間レトが初めオロオロしたり回復すると分かっていても心配してくれたりしてくれて、やっぱりコイツは癒し枠だと俺は思った。
後は血肉を喰らうブラッドスチールレパードをテイムしたことによって色々と後始末がラクになった。血だけを食べてくれるので血抜きの必要が無くなった。
また今の俺は自分で狩った肉を売れないので狩った後に土を掘り燃やすしか無かったのがレトの食事兼スティールの材料になった。マジでレトさん神では?
そして鳥モンスターの血肉を喰らうと背中から翼を生やせるんですね。流石、Bランクモンスター…スキルとかも偶にスティールしてるしマジでチート級モンスターでは?
ゲームだとモンスターに変わったりしてもそのモンスターの行動しか出来なかった。でもここは現実だ。姿だって全部モンスターになる必要は無いし、スキルも溜めれば溜めるだけ使える。
コレより上とかホント会わないことに限るな。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます