第2話 魔法を使う
勇者に転生してから次の日、俺は森に来ていた。あの日はそもそも森の浅い所にボアみたいな中型モンスターが居るのがイレギュラーだった。
今日は一人だし、武器も殺傷能力の無い木剣なんかでは無くナイフを持っている。今日からこっそりレベリングするために。
闇堕ちルートに入るにはまずフラグを立てておかなきゃならない。勇者になると闇魔法のレベルを上げる事が出来なくなる。
そして勇者と鑑定された時に闇魔法が勇者特典で授かる光魔法のレベルと超えていることで闇堕ちルートのフラグが立つ。ちなみに勇者が闇堕ちすると光魔法をつかうことが出来なくなる。
魔法は自分の想像力と魔力、相性なんかでつかえる。技名があるのは想像しやすくなるからだったりする。
だから光魔法のヒールも火魔法の想像力しだいで治癒は出来るゲームだとファイヤヒールって名前で体が燃えて回復みたいな魔法があった。フェニックスをイメージして作ったらしい。
この世界は勝手に決めつけて魔法を制限しているだけだ。まぁ協会の思惑とかあるんだろうけどさ。ゲームでも俺の考えた最強の魔法とかを作ってた奴もいた。めっちゃ魔力減るけど。
そして魔法のレベルを効率的に上げる方法がある。オリジナル魔法を作ること。この世界は少しの違いはあるかもしれないがまだゲーム初期の魔法しか無いと俺は思ってる。
ゲームユーザーがこれまで作ってきた魔法を俺がこの世界で使うだけで魔法のレベルが簡単に上がる訳だ。
早速レベルを上げようと木の枝に止まっている鳥型モンスターに闇魔法を放つ。この時に意識するのは黒い手がモンスターを囲むようにすること。これは相手を束縛する技だからモンスターに傷がつかないように。
「鳥籠」
モンスターを捕まえると枝に捕まることが出来なくなったからか地面に転がってくる。
黒い魔力がモンスターをちゃん覆っていることを確認してからナイフを握り。息を吐く。俺はこれからモンスターを殺す。手が少し震えるが無視してナイフをモンスターの首に突き刺す。これで殺せるとは思っていない。レベル差があるからだ…だから何度もモンスターの首にナイフを突き立てる。
これでモンスター殺しは卒業した。いずれ人も殺るからそっちも卒業予定あるんだよなと思いつつ少し休憩する。水筒を飲んでいるとモンスターを殺した時ピロンッという音が鳴ったことを思いだしたため俺は確認しようとステータスを開く。
俺のレベルが1から3に、闇魔法を新たに覚えてレベル2になっていた。レベルが上がったことの嬉しさと次のモンスターを狩ろうという気持ちがある為、俺はあまり殺すことに拒否感が無いんだなと思った。
手も服も汚れてなかった。唯一ナイフの刃部分が赤黒くなっていた。ナイフしか汚れていないため帰る時に川でナイフについた血を落とすだけ。
これが鳥籠のいい所。モンスターも抵抗する暇も無く捕まるから素材が綺麗。難点なのは捕まえるモンスターの強さによって魔力の減りが違うこと。
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