第8話 女の子で悔しい

 

 私は西ちんの話を聞いて、あまりにも怖いもの知らずだったことを思い知った。


 杉田は、まだハトに危害を加えてはいないだろう。

 けれど、アリや虫を踏みつぶしたりする姿は目にしていた。


 だから、ハトの話をされたときにふと西ちんの話が合点がいった。


 杉田は、私に決して理解できない『悪』を抱えている。


 それを取り除くのを、諦めていいことではないかもしれない。


 けれど、もともと杉田の方が体は大きいし、このまま以前の調子でやりあったら怪我をするのは私の方だ。

 だから、西ちんが私に告げたことはたぶん、西ちん一人の考えではなかったのかもしれない。



 私は、杉田の件から手を引いた方がいいのだろうか……?



 やめる理由は色々思いついた。



 けれど、一番の理由は男勝りでも結局は私は女の子で、杉田にはもう敵わないからだったことが、悔しかった。



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