第15話 報復

はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…


な、なんだってんだ?マスターめ…


く!マズイ!このまま血まみれのマスターを置いてこの場を後にするのは簡単だが…金貸しの拓に警察に知らされても厄介だな…


とりあえずカウンターの裏に…


ズリズリ…


重っ!マスター重っ!


ドサ


ふう…とりあえずこれであっちから見えないよな?


じゃあ、さっさとココから…


ココから…




……。




って…い、生きてるよね?コレ…


不安になったオレはマスターの胸に耳をあて心音を確認する。



バクン!バクン!バクン!バクン!



マスターの心臓はまるでエンジンのように激しく脈打っている…


さすがマスター。なんてたくましい…


いや、しかし…なんなのだ?この清々しさは?


なにか、こう…やり残していたコトをやり遂げたような気分だ…


むしろこのままマスターの頭を殴りつけた方がいいような気すらしてくる。


むぅ…なんだっけ?思い出せそうで思い出せん…


その時



ジャー・・・・・



トイレの方でブツを流す音がした。


ちっ!逃げ損ねてしまった…もうこのままヤツが去るまで待ち続けるしかないのか?


いや…このままヤツが帰ってしまっては、ピーコが…


どうすれば…一体どうやってピーコを泣きボクロの元へ…


いや、待てよ。別に無理して泣きボクロの元へ届けなくても…




!!




そ、そうか!だったらここに泣きボクロを呼べばいいのか!!


さすがの金貸しの拓も飼い主が現れれば返さないわけにはいくまい!


ガチャ


「いやぁ…結局ウ〇コしちゃいましたぁ。はっはっは」


見ていろ!


オレは金貸しの拓に正体もコトの真相も分からないまま…


この場を乗り切ってみせる。

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