第12話 この展開、AREREEE?
とにもかくにもすったももんだもなんだもかんだもあったが【はずコピ】キアラ回キングオーク編がほぼ終わった。
原作ではトレスが原型ないほどに氷の柱でぺちゃんこにしたキングオークだったが、キアラの内部破壊魔法により綺麗な姿……まあ、見た目キングオークだから綺麗というか不細工だが、まあ、状態は綺麗だ。
綺麗といえば目の前の金髪ツインテ超絶美少女が真っ赤に照れている。
どうしよう?
まあ、応援と援護だけしてたゴメスに惚れたわけではなくシンプルに照れているだけだろう。それだけであれ。であれば、俺はもう十分堪能させてもらったので俺がやるべきことは別だ。
「いよーし! キングオークの解体は俺にまっかせろー!」
雑用。
所謂、作中は語られないがやるべき事を俺、ゴメスがやる。
テレビだったら『あとでゴメスがうまくやっておきました』と入るようないらない情報。
雑用経験だけは豊富なゴメスなので、こういった作業は得意得意。キングオークのどこをどうバラシてどこを素材屋に売ればコスパいいかもすぐ分かる。
「あ、ゴメス……」
キアラが何か言いたそうな様子で声を掛けてくる。
Yes、or、No?
だが、俺は知っている。ここで自分の都合のいい解釈で終わらせ、立ち去ると大体望んでいない結末に行くのが王道でもギャグでも定番だ。
だから、俺はあえてイエス!
キアラの声に応える!
「なんだ、キアラ?」
振り返れば超絶美少女がいまだほっぺたを赤くしてこっち見ちゃってかわいい!
……んんん?
もしかしてだけど、もしかしてだけど、ゴメスに惚れてしまってるんじゃないの?
スキンヘッドゴメスでも万が一があるかもしれない。
だが、もし万が一そうなった場合、ゴメスの平穏ENDが終わる可能性がある。
なので、俺は
「ど、ど、ど、どうしたの? キアラちゅわあん? もしかして、戦闘で疲れたのかな? じゃ、じゃあ、俺が、身体の色んなところをもみほぐしてあげようかな、デュフフフ」
自らフラグクラッシュしていくスタンス!
エロおじたんゴメスのセクハラアタックに頬どころか全身真っ赤にしていくキアラ。
「ゴ、ゴメス……アンタねえ~……!」
キアラの全身から溢れる冷気。
あれ?
冷気吹雪レベルじゃね?
これ、やばくね?
俺の脳天が紅に染まる奴じゃね?
「ゴメスのばかぁああああああああああああ!」
「ほんぎゃあああああああああ!」
ごいいいいいいいいいんという除夜の鐘もびっくりな煩悩吹っ飛び衝撃音が響きわたる俺の脳天にキアラズ氷柱。
まるで漫画のように地面にめり込む俺ゴメス。いや、マジで頑丈すぎる。
とんでもなく痛いが死なないし、スキンヘッドとほぼ同じサイズのたんこぶが出来ただけで済んでいる。俺以外なら死んでるぞ、これ。っていうか、このたんこぶ何で出来てるの?
質量保存の法則は?
「……もうちょっと、かっこつけてくれても、いいじゃない、ばか」
え? なんだって?
キアラがとんでもない事を言いだしている。
いやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいや。
有り得ない。
キアラがゴメスにラブミーテンダー?
有り得ねえ。
キアラとゴメスがいちゃらぶ?
ARIENEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEE!
見上げるキアラちゃんが恋する乙女フェイスなのが怖すぎる。
いや、でも、よく考えれば、トレスの『キアラはかわいいのに』だけで落ちるようなチョロインだ。キングオーク戦の吊り橋理論でチョロったのか!?
マジで勘弁してくれ。
美人過ぎるとなんか自分が惨めに感じちゃうじゃん!
誰かタスケテェエエエエ!
俺が震えていると、THE主人公トレス様がやってくる!
キタァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!
トレス! お前の気の利いた一言でチョロインをラブフォーリンさせてくれぇええ!
「キアラ、やったな。おめでとう、キアラもすごいよ」
え? なんだって?
「も? ああ、うん、そうね。そうね! 魔力とか色々トレスの方がすごいもんね!」
「いやいや、オレなんてただの外れスキルだから」
「………あー………うん!」
ダメだ、コイツ……早くなんとかしないと……。
マジでほめ方下手すぎ謙信だし、自分が褒めて欲しいだけだ信玄じゃねえか。
「も~ゴメス、仕方ないから助けてあげるわ、はい」
そう言ってキアラが手を伸ばす。
パンツは見ていない。本当だ! 見えそうだが見てないんだ。
これ以上何やってもフラグっぽいし。
なんとか出した手をキアラが掴んで苦手な土魔法を操作しながら引き上げてくれる。
キアラたんの手はとってもやわらかかったです、ハァハァ。
とか言っても通じないんだろうな。だって。
「……ゴメスがいちばんすごいとアタシはおもってるけど」
引き上げた拍子に耳元でそんなこと言うんだもの。
かわぃすぎ、まぢむりぃ……。
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