第3章 知られざる真実と語られる想い
場転
人間側の基地
エレノアを連れてリゼン登場
エ「ここはどこなの。貴方は誰」
リ「申し遅れたね、俺はリゼンバート。ここは俺たちの基地。まあ家みたいなものって言えば分かりやすいかな。俺たちは魔法復活を唱える騎士団や他の国民たちと対立してる存在なんだ。だから国の敵みたいなもの」
エ「…魔法が復活することに反対だっていうこと?」
リ「そういうこと」
エ「…私だけ攫っても何も変わらないんじゃないの」
リ「うーん…、まあ、正直言うとそうかもね。でも、あんたを攫うことで不都合がだいぶ消えるんだよ。向こうが少しでも魔法復活に近付くのを遠ざけることができるわけだしね」
エ「そう、なの…でも、どうしてそんなことを?」
ウェルト登場(リゼンの「ね、」辺りから)
リ「ロクザンと魔法が嫌いだから。でもたぶん納得いってないでしょ?だから理由くらいは教えてあげるよ。ね、ウェルさん」
ウ「テメェも知ってるんだから、テメェが説明すりゃいいだろうが」(寄りかかれるのであれば寄りかからせたい)
リ「でも、俺よりウェルさんが説明した方が早いでしょ?」
ウ「っはァ………おい、そこのやつ」
エ「エレノア、」
ウ「あ゛?」
エ「……名前、エレノアだから」
リ「そういえば聞いてなかったな。へぇ、あんた、エレノアって言うんだね」
ウ「(舌打ち)エレノア。」
リ「ははっ、律儀だね。ウェルさん」
ウ「うるせぇ。それで、俺らが魔法復活に反対してる理由だが、魔法が使えない俺らは魔法が使えたロクザンたちに虐げられてきた。アイツらは普通に魔法が使えねえ俺らのことを見下してたんだ。無能なやつらってな」
エ「でも、それを全員が思ってるわけじゃ!!!」
ウ「いーや、全員思ってたんだよ。ロクザン全〜員。みんな俺らのことを見下して、簡単な魔法ひとつ使えやしねえって笑ってた」
エ「ッ……」
ウ「お前は貴族だから知らねえだろうが、魔法が使えなきゃ仕事もできねえ。俺らはマトモに生きられたら運が良いほどこの国での居場所が無かった。俺ァはたまたま騎士団の麗に拾われて生きていた頃があったが、生憎、他の騎士団の奴らに虐げられてな。毎日毎日殴られたり蹴られたり、挙句にはこの左目まで持っていかれちまった」(このときに指輪に触れる仕草を入れたい)
エ「……その目は…」
ウ「これは義眼だ」
エ「そう……。」
ウ「だから、俺らは魔法が復活することを断固として反対してる。魔法が復活してまた虐げられるなんてことがねえように。ここでテメェを殺す」
ウェルト、エレノアに銃(片手)を突きつける
リ「殺気立ってるねぇ、ウェルさん」
ウ「はっ、んなのいつものことだろーがよ」
リ「確かに…で、あんたはどっちなの?」
エ「私は…反対してる。私だって魔法なんかない方がいいと思ってる」
ウ「ははっ、珍しいやつだな。お前」
リ「へぇ…魔法が使えるってのにそんな考えしてるんだ」
ウ「…だったら今、ここでお前を殺すだけだ。せめて苦しまねえように一発で仕留めてやるさ」
エ「……慈悲深いのね。私が死ぬことでこの国がこのまま平穏を保てるなら仕方ないわ」
ウ「はっ…そんなこと言う割には手が震えてっけど、覚悟は決まったのか」
エ「決められてないわよ、私はまだこれからも生きていたいもの…!」
ウ「へぇ…じゃあ、覚悟が決められるようにもう一個話をしてやる。お前らロクザンは俺らが本来やれるはずの仕事を魔法ならもっと簡単にできるつって奪ったんだ。魔法なら何でもやれる、だから今までやらなきゃいけなかったことも全部魔法で賄います、なーんて言ってな。…それでいて、あいつらが仕事を奪っていった癖に今度は魔法が人間を支えてやってるなんてほざいて満足気に過ごしてんだ」
エ「なに、それ…」
ウ「なぁ、人間から仕事を奪って過ごす日々は楽しかったかよ?」
エ「ッ……」
ギビヤ、ギルス登場
端の方でギビ(上)ギル(下)の団子みたいな状態で覗いている
ギビヤが見えないと言わんばかりにギルスを押す
押されているギルス耐えきれず声を出してしまう
ギル「ちょっと、押さないでよ…!?」
ギルス押されて前に転ぶ様な形で出てくる、ギビヤ、その後ろから出てきつつ見てる
リ「うわ、双子さんたち出てきちゃったの…!!?」
ウ「あ"?ギビヤ、ギルス。なんでこっち来たんだ」
ギル「話し声が聞こえたから…というか何してるの?」
ギビ「そーそー!こんなに集まってどうしたの?しかも知らないお姉ちゃんもいるし!!」
ギル「なんでこんな物騒な状況なんだ」
リ「……ちょっと色々あってね」
ウ「見に来んのは想定外だが、テメェを殺らなきゃ俺らがただ不利になっていくだけだからな。こいつらが居ようと結末は変わらねえぞ」
リ「ははっ、そうだね。じゃあ、最後に俺からも言わせてもらおうかな。人間はこの国で昔からずっと苦しんできたんだ。ウェルさんの件も然りだけど、この双子たちみたいに産まれてくる子供も被害者だよ。差別されて虐げられてついには家族にまで捨てられて、何をされても守ってくれる人なんて誰一人いやしない。自分で自分を守るしかなくて、でも守ろうにも生活すらままならなくて/
/ギビ「リーゼン!!大丈夫だよ!アタシたちにはリゼンたちがいるもん!」
ギル「ボクも、リゼンたちがいるから平気。だからそんな怖い顔すんなよ」
リ「…あ、あはは、ごめん。らしくないことしちゃった。双子さんたちのおかげで冷静になれたよ、ありがとね」
エ「貴方たちは…捨て子、なの?」
ギビ「そーだよ!!ママもパパもいなーい!食べていけないからって捨てられちゃった!!」
ギル「情けないけど、まだボクたちは大人がいないと生きていけないからね。ロクザンを頼ろうとしたんだ。でも見向きもされなかった。だから行き宛てもなくて、このまま二人で死のうかって話してたんだよね」
ギビ「夜の海ってお月様がキラキラしててキレーだったよねー!!」
ギル「うん。あの時リゼンに話しかけられてなかったら、そのまま死んでたよ」
エ「そうだったの…。捨てられて、助けも断られて、死のうと海へ…」
リ「大人も子供も関係なく、ロクザンは虐げる。ロクザンと人間の間に差が生まれたのは、間違いなく魔法の有無だった。だから魔法を復活させたくないんだよ」
ウ「…虐げられるよか今の方が断然マシだからな」
エ「そう、よね。私もお父様やお母様からよく言い聞かされたわ。魔法は存在しない方がいいものだって」
ウ「あぁ、そうだろ?」
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