第3話 家族を失った少年③

なんだかとても怖い夢を見ていた気がする。父さんや母さん

町のみんながいなくなって僕が一人になる夢。

でも今は、なんだかんだ心地よくて、暖かくて安心する。


「目が覚めたか?良かった」

「え?ここは?貴方は一体誰?」

「?!まさかショックで記憶が。え、どうしよう」


記憶?何を言ってるんだろ?僕にはちゃんとあるのに。

そうだ父さんやと母さんの所に帰らなきゃ。

そして僕はかけだそうしたら足元で父さんと母さんが寝てた。


「ん?何で父さんと母さんが僕の秘密の場所に?」

「だめだ。子供、それ以上考えたらだめだ!!」


お兄さんが何かを必死に叫んでいたけど僕には聞こえなかった。

なぜなら、父さんと母さんが息をしていなかったから。

そして、思い出される悪夢.........


「うわぁぁ、助けて助けて助けて助けて助けて助けて」

「な?!落ち着け子供。一回落ち着け。じゃなきゃ死ぬぞ。」

「うわぁぁ、父さん、母さん。町のみんながぁぁ」

『ちはやふる』

「どうだ、落ち着いたか?」

「うん」


なぜなだろう?お兄さんが歌を咏んだら心が軽くなった?


「そうか。じゃあ今は思っきり泣け。今はただ」


そう言ってお兄さんは僕の頭を撫でてくれた。

その後、僕はお兄さんに見守られなながら泣いた。


「落ち着いたところで、自己紹介をしよう。俺は在原業平っていう貴族だ。よろしくな。お前の名前は?」

「僕の名前は白っていいます。」

「白か。じゃあ白の年はいくつだ?」

「8歳です。」「8歳か.....」


僕がそう答えるとお兄さんは何やらつぶやいた。


「よし。白、お前俺の家に来い。」

「は?」

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