第13話 会社にて
あれから結局異世界に行くことはなかったが、二人に新しいスキルが生まれていた。それは管理者のような存在が二人が必要性を感じたことにプレゼントしたものなのか、それはわからないが、再び異世界に行きたいと言うモチベーションに繋がる。
「鯖田さんまたサバゲーに連れていってくださいね」
慶子ちゃんが言ってくる。そこまではいつも通りであるが、そのあとがいつもと違った。
「鯖田さん、何か若くなってない?身体つきも細マッチョになったんじゃないですか」
「カッコよくなったですね、今度私もサバゲーに連れていってくださいよ」
慶子ちゃんが割り込んでインターセプトしてくる。
「鯖田さんは私としか行かないんです。家も近くて一緒に行きやすいし」
「私も近くに引っ越したら連れていってくれますか」
「ははは、サバゲーって色々お金がかかるし簡単には薦めないかな、合わない人も多いしね」
……。
「鯖田さん、女の子たちに話かけられて嬉しそうでしたね」
慶子ちゃんがほっぺたをプクーと膨らまして突っ込んでくる。
「そんなことないよ」
「週末の夜は空けといてくださいね」
「わ、わかってるよ」
慶子ちゃんはレベルアップの高揚感が癖になっているようだ。
ここで二人のステータスを記しておく。
名前:アキタ ケイコ
種族:ヒューマン
職業:サバゲー魔法戦士
年齢:24歳
レベル:5
HP:140/140
MP:150/150
状態:健康
筋力:120
体力:130
速さ:100
防御:100
精神:150
器用:150
知力:150
幸運:120
スキル:射撃lv4、鑑定lv1、料理lv2、精神耐性lv5、回復魔法lv5、気配察知lv5、HPMP贈与lv1
称号:パーティーメンバー
名前:サバダ ゲイト
種族:ヒューマン
職業:サバゲー・バトルマスター
年齢35歳
レベル6
HP:160/160
MP:160/160
状態:健康
筋力:180
体力:160
速さ:160
防御:160
精神:170
器用:170
知力:170
幸運:190
スキル:BB弾特性付与lv5、射撃lv5、鑑定lv2、ナイフlv1、サバイバルlv1 、異世界転移lv6、精神耐性lv5、暗視lv1、マッピングlv1、空間収納lv1、言語理解lv1、投擲lv1
称号:パーティーリーダー
近所を歩き回ったせいか、マッピングが、
暗闇を恐れたせいか、暗視スキルが、英字新聞を読んだせいか、言語理解が、水もなくて困ったせいか、空間収納が生まれていた。
「鯖田くん聞いたよ、ジムで鍛えたんだって」
「サバゲーしかやっておりません」
「いやぁ、俺もやろうかな、なんか鯖田くん若がえってるみたいだし、撃たれる緊張感がいいのかな」
「鯖田くん、ちょっと」
「部長、なんでしょうか」
「営業の担当が不在らしくて、海外からの電話が私にまわってきたんだ」
「そうですか、部長頑張ってくださいね」
「そんな冷たい言い方ないだろう、君、英字新聞読んでるって言ってたよね」
「英字新聞をとっているの間違いですね、それでは」
「電話に出てくれよ、頼むよ」
「……わかりました、どうなっても知りませんよ」
「こちら、経理部課長の鯖田鯨人です。ご用件をどうぞ」
「すげえ、課長英語ペラペラだよ」
『こちら、南米農産物カンパニーのリチャード・ゲイトです。君もゲイトっていうのか、よろしく頼む』
「私のはファーストネームですが、こちらこそよろしく」
『そちらのカンパニーから、農産物の先物取引の仲介を頼まれたんだが、役員に繋ぐには営業を通さないといけないと聞いたんだ』
「それだけならメールだけでも良かったのではないですか」なんか相手の英語が理解できるんだが……。
『いやぁ、実はフェアトレードのこともお話したかったんだ。僕の担当しているカカオ農園があるんだが詐欺にあって、品物を取られてしまったんだ。このままでは1000人の子供たちが餓えてしまう。来年のカカオを買ってもらえないかと思ってね』
「……いくら必要なんですか?」
『200から300万ドルというところだ』
「うちの役員にいっても難しいと思います」
『他の大手中堅の商社にも当たったんだがすべて断られたんだ』
「まあそうでしょうね、わかりました、私が個人的に買いましょう」
『……いいのかい、もっと考えてからでも』
「300万ドルで買います。連絡は○○○のアドレスにお願いします。ところで、役員には先物取引についての正確な情報を提供してもらっていいですか」
『君は一体どこまで知ってるんだ』
「さぁ、あなたが悪い人でないことは知っています」
『分かった。そちらの役員に繋いでください』
……。
「鯖田くん、ありがとう、役員が喜んでいたよ、相手も鯖田くんと話して楽しかったって」
「正確な情報がもらえて良かったって誉めていらっしゃったよ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます