第9話 命大事に
おそらく異世界の時刻は、日本の時刻よりも8時間ほど進んでいると考えた。午前10時に出発して、異世界では午後6時と言ったところだろう。今回は午後1時過ぎに出発したので、異世界では午後9時となる。
ゴブリンを討伐して、今時計では午後12時、つまり異世界では午前8時ぐらいだろう。
明るくなるこの時間が暗くなっていく時間よりは安全な気がする。
これからは日本時間午後10時から午前2時くらいに狩りをするのがいいかもしれない。
あと2時間位狩りをしたら休憩をしよう。
「今度は5体見つけました」口の動きだけでも分かるようになってきている。ハンドサインと併用だが。
また、慶子ちゃんのMP5が乾いた連射音を響かせ、ゴブリンたちが倒れて行く。
俺は駆けつけて無力化していった。
「そろそろ日本に帰ろう」
「まだ大丈夫ですよ」
「時差があるし、休みとはいえ生活リズムを崩し過ぎたらお肌にも良くないよ」
「興奮して眠れないかもですよ」
「多分…だけど精神耐性を上げれば大丈夫と思うよ」
「むう、分かりました、じゃあ次は22時から26時ですかね」
「深夜番組みたいだけどその方がいいだろう。帰れない可能性を考えて、テントなどはそのまま持って来よう」
「街道からは何も聞こえませんでしたね」
「よっぽど大きな音じゃなければ届かないだろう。何かのときは電撃弾でね」
「そうですね命大事に、ですもんね」
俺のレベルは6、慶子ちゃんのレベルは5になった。スキルアップポイントはそれぞれ9ずつ貰えた。レベル1の差は何だろう。何かが採点しているのだろうか。GA○TZのような黒い玉ではないだろう。
それと二人とも気配察知lv1のスキルが生えていた。そういえば、何かがいそうとか感じるし、何体ぐらいと言うのも、このスキルを上げればわかるのではないか。敵わないような強敵を避けたり、メンバーをピンチから救えたらいいなと思う。日本にいてもかなり有用なのではないか。
と言うことで、俺は気配察知をlv5に射撃をlv5に異世界転移をlv6 にBB弾特性付与をlv5にした。これで異世界転移に必要なMPは50となった。
慶子ちゃんは、気配察知をlv5 へ、射撃をlv5に精神耐性をlv5に、回復魔法をlv5にした。
回復魔法に必要なMPは10、欠損がなければ命に影響しない位の怪我や病気が治り、重ねがけも可能とすごい能力になった。
テントや携帯トイレを片付け、日本に帰ったのが午前2時過ぎ、遅いから泊めてと言う慶子ちゃんを押し留めて、マンションまで送り、午前3時には、シャワーを浴びて眠った。興奮していても、必要があればすぐに冷静になれ、寝ようと思えば眠れて、起きようと思えば短い睡眠でスッキリ起きれる。チートな脳と身体になりつつあるのを感じた。
感情の高ぶりに任せて行動するのも、冒険の楽しさなら、その楽しさが少し減っているのかもしれないが。
「命大事に」この事は忘れないようにしよう。パーティーメンバーの慶子ちゃんのために。
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