第18話 島(アジト完成?)

side 主人公


 ゴミ問題は、スライムのおかげでなんとかなりそうだ。不思議なのは、飼育スライムの方が野生のものより強い?頑丈?なことだ。


 野生のスライムはふよふよしていて弱々しい。すぐ増えるかわりに、どんどん消えてしまう。それが飼育しているスライムは、飼育という保護を受けているためか?最初の淘汰?を生き抜く(言い方はなんだが)形になった?的な?


 自分でもよくわかっていないし、聞きたくてもここには学者もいない。ましてやスライムの研究している者がいるのかどうかも知らない。ついでにいうと、スライムの研究がこの世界に必要かどうかもわからない。


 本当のところなんで元気にどんどん増えていて、しかも能力の少し高い個体ばかりかなんて、お手上げだがまぁいいのだ。わたしは困らないし、島には好都合だ。


 つぎは住居だが場所は大体決めてある。鑑定からの提案通りに区画整理し、住まいや集会所によさそうな場所など村?というか街?の下地はできている。


 街?の中の広場や道を簡単に整え、開拓する場所や砂浜に通じる道も敷いた。それらのことは土魔法でわりと簡単にどんどん出来てしまう。


 植物たちには理由を話し移動をお願いし、その後土魔法で平らな道や各区画を仕切り、ついでに鑑定の提案通り家とか土魔法で作っておく。あと集会所とかスライム溜まり場とかも。


 なぜ土の家か?魔法で簡単に形が作れるし、下水とも繋げておきたい。水の流れに沿って作るのが理想でもあり、一緒に作っておく方が無理がないとのこと。わたしは土魔法の耐久力も上げられるし、通気性も窓などをつけて補っている。住み心地は悪くないはずだ、たぶん。


 思っていたより、設計段階が順調でよかった。もしかして魔法のおかげだろうか?まぁそうだろうな!


 各集落の共同の地下には、保存食などの保管庫を作成し入れておいた。簡単な魔法を掛け、時間経過をゆるやかにする。


 日用品をどうしようか考えていたら、鑑定から錬金術の提案があった。そういえば鉱物素材が手に入るダンジョンがあったな!


 錬金術に必要な素材を採りにダンジョンに潜り、ダンジョン内部で日用品を作っていく。アイテムボックスがあるからできる力技だね。


 錬金術の道具をダンジョンの中で取り出して、素材が手に入ったら即作るなんて!そして作った物はアイテムボックスへ収納すればいいなんて!作り放題、素材も使い放題!時間も場所も関係ない!ハッハッハッ!


 我ながらなんだかすごいんだけれども、なんだろう?ちょっと…セコイ?というか格好よくない気がする?いやっ!気にしちゃダメだ。


 とにかくわたしには物資を買い漁るほどの資金力はないのだから作れる物は作る!ちなみに今回、わたしが錬金術で作った物で最も大きく複雑だったのが船の建造だ。わたしだって突っ込みたい。船まで作れちゃうの?と。


 しかし思い出したんだよね。女神さまの初期セットの数々。あの中には船もあった。だから作る時参考にできたのはありがたい。船!役に立ったよ。まさか出番があるとは思ってなかったけど。


 海に囲まれた島で船が一隻もないのはまずい。というわけで、小型船5隻、大型帆船1隻作りました。でもきっと誰も操縦?操舵?できないよね?扱い方って試行錯誤できるのかなぁ?


 あとは、鑑定に活躍してもらって鑑定結果を書き溜めておく。この島の四季、季節ごとのイベント、魔獣の繁殖期とかね。植物の特徴、食べられる物とそうでない物。魔獣の特徴と弱点、陸の分だけではなく、砂浜や海岸で獲れる獲物についてや注意点。


 浅い海の比較的弱い魔物の倒し方や解体について。海の採取の取り組み方の基礎編(鑑定ご推奨)。海での過ごし方は、知らない者には危険も多い。それは魔物とか以前に波に攫われたりするかもしれないし、深い場所へ流されるかもしれない。


 泳ぎの得意な者でも油断できないと思うので、海との正しい付き合い方も合わせて習得してほしいと思う。それにこの島で暮らすのはみんなはじめてのこと。


 上手くいくか不安はある。でも最悪、開拓だけ少しできるだけでも違うと思う。海産物や海の素材が入手できたら稼ぎになるとは思うけど、はじめのうちは無理しなくていい。


 まずはみんなはじめて尽くし、覚えることもたくさんあるし、きっととても大変なはず。それでも人に縋って生きることと、自分たちの力でなんとかすることを選べる。選択肢があるのは幸運な事だと思えたらいい。


 とにかく基本用心して油断しないように過ごしてほしい。これで最低限、水、保存食、屋根や壁のある家は用意できた。


 あとは計画を進めながら考えるか?

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