白髪(しらが)族
さてこれは、65歳手前のヘルニア発症以前のお話・・・
地下鉄の中での携帯うつむき族は、95%くらいの数字だろうか。4人に1人が高齢者時代、電車の中の25%の頭が白くてもいいはずだが、これはない。しらが頭の私が、まっ先に席を譲られる所以だ。他の老婦人方は、優先席の前に立って、物欲しげな顔をしてみたところで、黒々と染めた髪をかざして若さを誇示しているのだから、土台無理と言うもの。ある時、白髪の男性が席を譲ってくれた。が、席に座った私の顔をしばし眺め、「あんたわたしより若かったな」とのたまわる。いえ、レディーファーストの紳士かと、お申し出をありがたくお受けしたまでのこと・・。
白髪(しらが)か、白髪(はくはつ)か?読み方によってずいぶんイメージが異なる。“しらが”は、白いものが混じりはじめた頃、まだまだ黒色が優勢だろう。 “はくはつ”ともなれば、全髪白色だ。“しらが”は忌み嫌われるが、“はくはつ”と言うと美的イメージにもなる。私のふるさとの町には、「銀髪の会」なるものがあるらしい。白髪を愛でいとおしむ、正しく美の世界に外ならない。
昔々その昔、日本では黒髪が美しいとされた。今でも海外に行くと、ストレートな黒髪が愛でられる。その名残か、歳を取って尚、人は黒髪に執着する。50代の頃、「染めないの?」と問う男性に(こう聞くのは決まって男性だった)、「ありのまま年を取りたい」と返すと、「外見より中身を大切にしている人なんだね」と言われた。おおお~っ、良くわかっとるじゃない!!
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