ケトル人の影

第22話 黒い雨の謎

シホは、自身の戦闘能力をさらに高めるため、脇差を新たにもう一本加え、二刀流の訓練に励むことに決めた。彼女は、ある閑静な道場を借り、朝早くから夜遅くまで、相手の急所を的確に突く技術を磨いた。彼女の動きは日に日に鋭くなり、二本の脇差は彼女の手に完全に馴染んでいった。

訓練に没頭していたある日、シホの元に緊急の情報が届いた。航空自衛隊の駐屯地周辺で、街中で以前降ったのと同じ、黒い雨が降ったというのだ。その黒い雨が降った後、駐屯地との通信が途絶えてしまったという。

シホは、この異常事態の背後にケトル人の仕業があることを直感し、迷うことなく行動を開始した。彼女は二本の脇差を腰に差し、ビークルを走らせ、駐屯地を目指した。

夜の街を抜け、郊外へと続く道路をビークルは疾走する。道中、シホの心は複雑な感情で揺れ動いた。黒い雨の正体と、駐屯地で何が起こっているのか。そして、ケトル人がこのような行動に出た目的は何なのか。疑問は次々と彼女の頭をよぎった。

しかし、シホは決意を新たにした。どんな困難が待ち受けていようと、真実を突き止め、ケトル人の計画を阻止することが彼女の使命だ。ビークルのヘッドライトが暗闇を切り裂きながら、シホは駐屯地へと向かう道をひた走った。