想定外
上級下層での探索は日を余裕で跨ぐ。
まず、そもそもとして上級下層にやってくるまでに時間がかかってしまうのだ。
ということで上級下層の探索途中で一泊を挟み、DAY2。
二日かけて、ようやくダンジョン探索の目的であった薬草の採取を終えることができていた。
「これで採取は完了。とりあえずの目的は完遂したな。よかった」
「それはよかったけど……ちょっと、配信しては物足らない感じよね。配信目的が薬草の採取ってのは少し地味ね」
「仕方ないだろう?そもそも準備の方にもそこそこのお金がかかるし、何よりも命を懸けているのだ。根底を覆すようなことを言うが、配信では少し割に合わない。これは攻略組の方のから頼まれた依頼なのだよ。こういうのがなければここまで深くはダンジョンに潜らない」
えっ……?潜らないの?
僕はこれからたまに魔物たちを引き連れて上級下層の方へと遊びに行くつもりだったのだけど。
い、意外だ……もっとバリバリダンジョンの下の方を潜っているものだと思っていた。
「そもそもとして、ダンジョンの上級下層を配信するってだけでもかなり珍しく、話題も内容もかなり派手だろう」
「確かにそうね」
基本的にダンジョン配信者をやっているのはガチのプロではなく、あくまでアマクラスであることが多い。
普通にダンジョン探索で稼げる人たちだったりは普通に配信なんて自分を危険にさらす可能性のある行為はせずに淡々とダンジョンの方に潜っている。
コメント
・もうすでにお腹いっぱいではある
・ガチのプロ冒険者が見れてかなり満足のようなところはある
・正直に言って想像以上ではあったよなぁー
・顔面偏差値の高すぎる四人を見ているだけで十分みたいなところある
・これが無料で見れることが信じられないほどではある
・本当にすごいのよね
コメント欄を見てみれば、かなり良質な評価を得られている。
これだけでもう十分みたいだ。
「それじゃあ、あとは帰るだ」
生徒会長が帰ろうと声をかけたその瞬間だった。
「……っ!?」
急にダンジョン全体が震えだしたのは。
「な、なんだっ!?」
「はわはっ!?」
「……すぅ」
「これは、不味いかもしれないですね」
その震えに生徒会長と神薙さんが動揺を示し、垣根と琴葉が流石の年の功で冷静に警戒心をあらわにしている中で。
「……ど、どういうこと?」
僕は本気で困惑をあらわにしていた。
なんで……ここから、僕の───その瞬間、突如としてダンジョン内の空間に大きな亀裂が入り、そして大きな穴が出来上がるのであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます