質問
質問ボックスにどんどんと寄せられてくる質問へと目を通していく。
「……お金に関することばっか」
だが、その内容としてはそのほとんどが
「そればっかりは仕方ないニャ。というか、あれニャ。主様にはあの女がいるニャ。あの女からうまく飯を手に入るニャ」
「……んなぁ」
神薙さんに関してはガチでくれそうだけど……もらうのは忍びないんだよなぁ。
あの人が僕に向けてきている感情って一部、信仰心が混ざっていそうで。
神主として信仰心を持つ子を食い物にするのは如何なものかという……自分の些細なプライドがぁ。
うーん。でも、神薙さんは一億稼いでいるらしいしぃ。
僕は自分で自問自答して頭を悩ませる。
「おっ。ついでに良いのを見つけた。レイナさんとの関係性について聞いてくるものだねっ」
とりあえず種上げすることにした僕は神薙さんとの関係性の質問に答えていく。
「んー、普通に友達かなぁ?僕がかん……うぅん!レイナさんと会話したのはみんなの知って通り、あの人が命の危険にさらされて、僕が助けて、ってのが初だよ。でも、普通の友だちというには仲がもっと深いかも」
コメント
・恋愛関係はないよ?
・レイナ×蓮夜はないのですかっ!?
・あの伝説の配信の相手は確実に蓮夜だと思うのだけどぉ
・蓮夜タヒね
・alalalalalalalalalal
「恋愛関係ではないよ?ちなみに言うけど、僕のインターネット上の名前はまおーなので、蓮夜って呼ばないでね?」
コメント
・嘘だっ!!!
・あり得ない…
・絶対に恋愛関係だって!
・もっと深いの詳細をっ!
「もっと深い……あぁ、それを言った理由は簡単でレイナさんが以前、台風の日だったかな?その日に自殺未遂していて。それで僕が助けたこともあるからね。あの時のレイナさんって結構落ちていたからねぇ」
「そんな経緯あるニャのだから飯くらいたかっていいはずニャ」
「ちょっと黙ろっ?色々とあるのだよ。僕にも」
コメント
・はっ?
・どういうこと?
・今、サラッととんでもないことを言わなかった?
「まぁ、レイナさんについてはここら辺にして次に行こうか」
コメント
・行くな、行くなっ!?
・大事なところぉ!
・テンポが速い…
・えっ?自殺未遂とかいうヤバいネタがこんな一瞬で消化されていくの?
・自殺未遂…台風…女の子と二人…復活…まさか?
・待ってぇぇぇえ!
「それじゃあ、次……僕の強さについてかぁ」
次に僕の視界に入ってきたのは自分の強さについてだった。
「まず、僕の武器術に関しては自前だね。元々自分が持っていたスキル」
基本的に僕の師匠だったのは爺ちゃん。
それに加えて、その道のプロである神様からも師事を受けていたりもしていた。刀であれば須佐之男命様とか。
「それで身体能力とか、回復能力とか、そこらへんに関しては僕もわからないのだよなぁ?イキシアたち魔物の出どころでもあるけど……僕の庭に実はダンジョンへと入るための穴があって。そこに広がっているのはダンジョンというか……魔物を集めて村を発展させていくタイプのバトルとは割と無縁のほのぼのゲームなのだけどね?」
「正確に言うとそれらのダンジョンと主様のダンジョンは別ニャ。主様のこそ本当のダンジョンニャ」
「……違いは?」
「感覚ニャ」
僕の言葉にイキシアは即答で断言する。
「んね?ここにいるさ、イキシアを見ても魔物たちでもあのダンジョンについてうまく語ってくれないから……僕もイマイチわからないのだよね。僕が自分の力を誇れないのもここにあってさ。たまたま運よく手に入っただけの力だからさ。この義手に関しても自分のダンジョンで作ったものなのだよねぇ」
「何を言うかニャ。私たちの力も主様の力で間違いないニャ」
「それが受け入れられないのぉ!そのダンジョンが何なのかわからないからっ!」
「んニャ?そんなもの主様の世界に決まっているニャ。私たちは主様の為にあり、あの世界も主様にあるのニャ」
「聞いての通り、詳しいことは教えてくれないの」
僕はイキシアの言葉に肩をすくめて答える。
「……ニャー。全部を言っているはずなのニャー」
「ということで次」
僕はこの話題に関してはサクッと流していく。
コメントも拾わない。
だって、深くは僕も知らないのだから。
「次はぁっと、自分の情報について出てこないのについて?」
ささっと僕は次の話題を拾っていく。
「それは良く知らないけど、政府が頑張ってくれているのじゃないかなぁ?元々、うちの神社は不文律だし」
僕はその質問に答えながら特に意味もなくスマホをスクロールさせる。
「おっ、僕の神社について聞いている質問もあるじゃん。これも合わせて答えていこうか」
そして、見つけた話題とも絡めて答えていく。
「僕の神社についてだけどぉ……普通の神社だよ?神様がおわす」
「そ、そうニャっ!」
何気なく告げた僕の言葉に対して、イキシアが強く反応してくる。
「ここにいる大量の上位存在はどうなっているニャっ!?ずっと私は気が気でなかったのニャっ!」
そして、そのまま彼女は震えながら言葉を話すのだった。
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