神社について

 イキシアの想像以上の食いつき。

 それに対して僕は若干困惑しながらも言葉を続けていく。


「ここは神社なのだよ?普通に神様はいるでしょ」


「だ、だとしても……居過ぎという話をしているのニャ。ど、どれだけいるのだ?」


「縄文の時から続くのでずっと前から行き場所を失った神様たちが集まってきやすいのだよね、うちの神社は」


「……な、何なのニャぁ」


 僕の言葉に対して、イキシアは複雑そうな表情でうめき声を上げる。


コメント

・んんっ?ど、どういうことなの?

・神様がいる???

・えっ?何の話をしているの?

・どういうことっ?


 だが、そんなイキシアよりも困惑していそうなのがコメント欄であった。


「えっ?普通に神様いるでしょ。神社だよ?大体の神社に神様いるよ?というか、ダンジョン何ていうものがある中で何故、神様がいないと?」


 僕は神様なんていないでしょ?何を言っているの?という感じを出しているコメント欄に言葉を返していく。


「まぁ、それでも僕の神社は普通のよりも特殊だけど」

 

「ニャ?」


「普通の神社は本来隔離。神様を空間で囲って静まってもらうのに対して、僕の神社は共存。神を眠らせることなく放し飼い状態?自分の山の中に住んでもらっている感じなのだよねぇー。だから、うちの神社に来たときは境内から一歩でも逸れて山の中に入ればその身の安全は保証できないなぁー」


「……にゃぁぁぁぁ」

 

 僕の言葉を受け、イキシアが変な声を上げて倒れる。


「こっちに来ないかニャ?」


「多分?」


「多分ニャっ!?」


「うん、多分。来れる人とかもいるから」

 

「ニャニャっ!?」


「まぁ、僕の神社についてはここらへんで良いかな?」


 僕は驚愕で固まるイキシアの言葉をスルーして次の話題へと移っていく。


コメント

・待って、待って?これもサクサク行くの?

・うっそー、世界の常識変えるよ?

・世界中から、ってかなりまずいこと言っていない?

・ヤハウェとかもいるのか?


 だが、僕が次の話題に移ろうとするのをコメント欄が止めてくる。


「いや、ヤハウェ様はいないよ?」


 僕はコメント欄で見かけたコメントに言葉を返す。


「自分の神社は行き場所を失った神々がたどり着く地だから。唯一神を信仰するユダヤ、キリスト、イスラムの一派が広がっていくと共にその地より追われることになったローマやギリシャ、インディアンたちの神々が流れ着いているかな?後は黄帝との戦いに負けた蚩尤とか。中国の方から流れ着いてくるのもあるし、もちろん。人間が居住区を拡大するに連れて場所を失った日本の八百万とかも集まってるね」


 最近は神社が廃れるような自体も起こってしまっているし。

 そんな風に住処が、自分の居場所として隔離していた空間が消えたことで空を自由に飛べるようになった神とかが自分の元に来ることもある。


コメント

・もしかして今は歴史の授業を受けいたり?

・これ、世界中で問題になるやつじゃ…

・聞いたらキリストとか、ムハンマドとかについても教えてくれそうな勢い

・どう、いうこと…?

・既に世界中が燃えているんやがwww


 うーん。

 思ったよりもコメント欄の勢いが凄い。


「もしかして僕ってばまずいこと言っていたり?」


 コメント欄の反応を見る僕はゆっくりと首を傾げるのだった。

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