再び
僕が読心によって看破したイキシアの心のうち。
『なぬぅー。なんか主様がずっと私のことを見ているニャー。えへへ、照れちゃうニャー( ≧ ≦ )ღ。何ニャろうか?よく分からないけどぉ……見られているだけで妊娠しちゃいそうだにゃ( *゚∀゚)=3ハァハァ』
「……」
その心の内はかなり荒ぶっていた。
それはそれは、もうビックリするくらいに荒ぶっていた。
「……すぅ」
ま、まぁ……見なかったことにしようか。
うん、その方が良いでしょ。
僕はそっとイキシアの方から視線を外す。
『あー、視線が他に外れてしまったニャ(´;ω;`)ずっと見ていて欲しいニャ。子孫たちみんなの分も含め、主様が増えたりしないかニャ?何とかニャらないだろうか……うぅ、私のことを見ていて欲しいニャ。で、でも例え見ていなくとも……放置プレイみたいでこれもこれでまた良いニャ(*゚∀゚*)ムッハー』
……い、イキシアってば、こんなにも脳内ピンク色だったのッ!?全然知らなかったよ。
いつも冷静沈着、頼れる素顔を晒していたあのイキシアの心のうちはここまでピンクとは想像つかなかった。
まぁ、だからといって何かイキシアへの信頼と評価に揺らぐわけでもないけど……流石に衝撃だったな。
「……」
読心は切っておこう。
うん、僕は読心を必要な時以外には使わないことを硬く誓った。悪用は厳禁だね、この力。
まぁ、でもよかったかな。
魔物たちを統率する立場にあるイキシアの好感度がマックスみたいだし、ある程度裏切りの心配はする必要ないかも。
「それじゃあ、イキシア。僕はとりあえず一旦。外の方に戻るよ。また夜の方に来るね」
「きゅーいっ!」
僕の言葉に頷いたイキシアはそのまま手を振りながら送り出してくれる……この時もその脳内はピンク色なのだろうか。
■■■■■
ダンジョンの方から神社の方に戻ってきた僕は大きく背筋を伸ばし、こちらの世界の太陽の光を存分に浴びる。
「あぁぁぁぁぁぁぁ」
そして、深々と自身の声を漏らす。
「んっ。片付けを再開しようかね」
台風があってからもう早いことで五日も経過している。
神薙さんが女装した僕とダンジョンに行った日に配信活動を再開し、そのままゲーム配信などの家で出来る配信を行っている中で。
僕は未だに神社の掃除が終わっていなかった。
ちなみにだが、神薙さんは未だに高校には来てくれていない
まぁ、でも、いつかはまた登校してきてくれると思って僕からは何も言わずに静観している。
「あぁ、だるぅ……」
全然終わらない掃除。
それでも少しずつ進めていくしかない掃除……僕は頭を抱えながら掃除の手を進めていく。
「って、あれ?」
僕がしばし、掃除の手を動かしていた頃。
長い長い階段を抜けてうちの神社にやってきたであろう人影に僕は気づく。
参拝客だろうかっ!?……いや、違うな。あれは……っ!
「高畑近衛さんじゃないですかっ!」
やってきたのは僕も良く知る人物、以前僕に会いにきたことのある高畑近衛さんである。
初めて会いに来てくれた日と、わざわざ御守りを買いにきてくれた日。
そして、今日なので、三回目の訪問。
もうすでに我が神社のお得意様である。来て、二回やからな。うちの神社。
「やぁやぁ、蓮夜くん。元気にしていたかな?」
「えぇ。もちろんですよ。それで?今日は何のようでしょうか?……いつもの、護衛の二人が見えないようですが」
高畑近衛さんはしっかりとした政府の要人である。
そんな人が護衛もなしにやってくるとはあまり考えられないことだけど……一人で何をしにきたのだろうか?
「今回は……かなり、大きな話を君としたくてね。護衛の二人には下のほうで待っていてもらっているよ」
「そうでしたか。それでは、こちらの方に……さっさと本題に入ってしまいましょう。あまり、うちの神社の下で待たせるのも不味いでしょう。何もないですし」
うちの神社の周りには時間を潰せるような場所もない。
出来るだけ早く話を終わらせてあげるべきだろう。
「今回も失礼します」
「いえいえ、気にしなくていいですよ」
本当に、気にしなくていい。
毎日、運動不足解消のためにあの階段を登って参拝することをお勧めしたいね。
そんなことを考えながら僕は高畑近衛さんと共に自分の家の方に向かうのだった。
あとがき
愛され作家NO.1決定戦特別企画
期間中毎日特別ショートストーリ公開、四日目!
本日は『第二十六回主様会議』です!
内容としては、実は鳴き声だけで会話をすることが出来ていたイキシアを始めとするダンジョンの魔物たちが交わす、蓮夜についての会議となっています。
興味があればぜひ、ギフトを頂けると嬉しいです。
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