決着
僕が
「ぐっ、あ……ッ!」
だが、それでもたった一発のビームを完全に
「に、二発目を打たせないでぇ!」
次に撃たれたら防げない。
そう判断した僕はゲルトナーの放ったビームの威力に面食らい、行動を一時的に止めてしまっている魔物たちへと命令を出す。
「おぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおおお!」
その命令を受け、魔物たちが素早く行動する。
四巨人がうちの一人がハルバードを勢いよく振りかぶって亀の頭を叩きつける。
「めぇぇぇぇぇぇぇ!」
ゲルトナーは己の亀の頭が叩かれたことに憤りを見せながら、地面に力を入れて突進。巨人の身体を叩く。
「めぇっ!?」
ゲルトナー渾身の突進。
だが、それは四人の巨人たち全員が協力することで容易に止められる。
そして、巨人たちがゲルトナーの動きを止めたことを受けて他の魔物たちも近距離からの攻撃を再開する。
「めぇぇぇぇぇぇぇぇええええええええええええええええ!」
だが、今度はゲルトナーとて何もしなかった今までとは違い、大きな反応を見せた。足を何度も動かし、亀の甲羅を振り、自分に纏わりつく魔物たちを遠ざける。
「きゅーいっ」
それでも、ゲルトナーはイキシアを始めとする魔物たちが離す中遠距離からの攻撃の波には何ら対処は出来ないのだが。
「近距離タイプは一度、撤退!足止めに専念!」
僕はゲルトナーを中遠距離からの攻撃で押し切ることを決意する。
「めぇぇぇぇぇぇぇ!」
それに抗うかのようにゲルトナーは再度突撃。
だが、その突撃も四人の巨人並びにアラクネーの糸や他の魔物が作った罠などによって無効化されてしまう。
「亀の頭を狙って!そこは甲羅もなく、敏感だろうから!」
僕の言葉を受け、魔物たちは総出で亀の頭に向けて攻撃を加えていく。
ワンチャン、甲羅も壊れてくれないかな?っと思って甲羅にも攻撃を加えていたが、それよりもしっかりとダメージの入るところを狙った方が良いだろう。
ゲルトナーのビームが何度使えるものなのかはわからないが、インターバルがあるだけで何度も使える攻撃なのならば非常にまずいことになってしまうだろう。
だからこその集中砲火。
短い時間で押し切ってしまいたい……。
「───あれだな」
そんな思惑で攻撃を続けていた時だった───僕が、ゲルトナーに対して何か予感めいたものを得たのは。
「……ふっ」
僕は半ば無意識のうちに地面を蹴ってゲルトナーの方に向かっていく。
「きゅーいっ!?」
「上を失礼するよっ!」
巨大な槍を武器庫から取り出した僕はその矛の穂先を地面に向け、そのまま棒高跳びの要領で槍をしならせながら跳躍。
僕は巨大なゲルトナーの頭上を乗り越え、彼の背後へと降り立つ。
「───ッ!」
ゲルトナーの背後を取った僕は武器庫からその手に今度は投擲槍を出現させ、力強く握る。
「みぃーつけた」
唐突に力強く動き出したゲルトナー、否。ただの亀。
そんな彼に流れている魔力の流れをなんとなく感じ取った僕は感じ取ったのだ。
「ゲルトナぁーっ」
亀の背後。
そこには操縦席とも言えるような小さな空間があり、そこの中に一人の小さな魔物が乗っていた。
「ぴ、ぴいっ!?」
僕はその手にある投擲槍を己の視界の中にある操縦席へと全力で投擲。
著しく強化されている僕の身体は己の思った通りに投擲槍を飛ばし、確実に操縦席を、その中にいた小さな魔物ことゲルトナーを完全に叩き潰した。
「……」
それに伴って、これまで力強く暴れていた亀も動きを止める。
『丙Ⅰ型襲撃魔物ゲルトナーの討伐を確認致しました。お疲れ様です』
「まさかあの亀がただの乗り物とはな」
僕は頭の中に響く声に身を傾けながら、率直な感想を漏らすのであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます