第6話 義叔父と義弟に襲われたのでボコボコにしました

その日も私はご満悦だった。

だって天使な息子が可愛すぎるのだ


「シャルルちゃん、お目目奇麗でちゅ」

私はそう言うとシャルルのほっぺたにキスした。

「お手手も可愛いでちゅ」

手にキスしていく。

「きゃっきゃっ」

天使な息子は喜んでくれたのだ。


「おい」

「ジャンヌがおかしいぞ」

と変な声がして

「姉はシャルルの前ではいつもああです」

呆れた弟の声がした。

でも私は無視だ。

「でも、可愛いかも」

誰かの声がして

「「「えっ」」」

「殿下頭がおかしくなったのではないですか?」

ギョッとした声と弟の叫び声がしたんだけど


「ちょっと、あんた達、煩いわよ。何でここにいるのよ」

私が不機嫌に言うと


「「「お前が呼んだんだろうが!」」」

「そうだっけ?」

私の声に全員がずっこけているんだけど。そう、私は用があると王太子たちを呼んだのだ。呼んですぐに皆飛んで来てくれた。


「ジャンヌ、俺たちは暇ではないんだぞ」

「そうだよ姉上。冗談で呼びつけるのなら止めてよね」

王太子のエドとブライアンが文句を言ってくる。


「私も暇ではないわよ。可愛い天使な息子の世話があるんだから!」

「じゃあ呼ぶな」

私の声にエドが叫ぶが、

「良いじゃない。天使な息子のシャルルを見てくれても。ブライアン、愚痴愚痴言っていると皆に10歳までおねしょしていたのばらすわよ」

「ばらしているじゃないか姉上!」

「アラ本当ね。つい口が滑ったわ。殿下の秘密もばらしてしまいそう」

「ちょっと待て! それだけは」

何かエドが必至なんだけど。

「でも、ジャンヌ様。俺たちもやらないといけないことがあって」

「煩いわね。すぐに来るわよ」

「来るって誰が?」

皆が不思議そうな顔をした時だ。


「キャっ」

「どけ、女」

そこに叫び声と、誰かが倒れる音がした。


そして、扉が蹴破られた。

そして、抜剣した男達が叔父と義弟を先頭になだれ込んで来たのだ。


「ジャンヌ、よくもやってくれたな」

叔父が叫んできた。


「あらあら、叔父様方、何しにいらっしゃったの?」

私は余裕で笑ってやった。


「俺たちが今までいろいろやってきたのは、そこの乳飲み子に家督を譲ってやるためではないわ」

「まあ、怖い。そのためにわが夫のシャルルを殺したの?」

「あいつも素直に俺に家督を譲れば死ななくても済んだのだ」

「殿下、こんなこと言ってますけど」

私はエドに振ってあげた。


「「「で、殿下!」」」

みんな唖然とししている。


ここに王太子がいる事に気づいていなかったのだ。

本当に馬鹿だ。


「ええい、何している。こうなったら殿下諸共殺してしまえ」

「えっ、でも叔父上。王族の殺害は処刑では」

「何を言っている。貴族の殺害はみな処刑だ。その乳飲み子を殺してもな」

叔父は私のシャルルに剣を向けたのだ。

天使な息子に!


その瞬間私はプッツンと切れた。


「私の天使な息子に剣先を向けるな!」

そう叫んだ時には私は雷撃を放っていた。


叔父たちは一瞬で黒焦げになっていた。そして、ぴくぴく震えてバタリと倒れたのだ。


私の横にはそれを唖然と見ていたエドたちがいた。


「すげえ、以前よりパワーアップしていないか」

エドの声が響いたのだが……


でも、私はそれどころでは無かったのだ。


「おぎゃーーーーおぎゃーーーー」

いきなり天使な息子が泣き出したのだ。


「おお、よしよし、剣を向けられて怖かったのね」

私があやすと


「いや、今のは絶対に怒り狂った姉上の顔が怖かったからだ」

ぼそりと呟いたブライアンをぎろりと睨むと

「嘘です。姉上」

慌てて謝りだしたんだけど、私はあやすのに忙しくてよく見ていなかったのだ。


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