35.先輩の引継書

 先輩の引き継ぎ書は、何ページもかけたものだった。

 淡白な文面に、丁寧な引継ぎの文言。

「これを見たら、網羅できる」と豪語していた。


 が、やはりそれだけでは無理難題。


 北の国へ行った後も、何回も電話をかけてしまう。

 そのたびに物や場所を把握していく。

 まだ、先輩の空気がここに漂っている。

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