第19回「漫画」
A「漫画特有の憧れる描写ってあるよな」
B「伝説の剣を抜くとか、実は主人公が英雄の孫だったみたいなやつ?」
A「それも一理あるけど、もっと心に来るやつがある」
B「剣や孫のくだり以外にあるのかよ」
A「磯野、野球しようぜ」
B「・・・確かに。というかそれ以上に憧れる描写なんてなくないか?」
A「もう友達と放課後に野球をしに行くとかないって考えるとこれが一番だよな」
B「確かに心に来るわ」
A「北公園に集合な!とかもないんだぜ!」
B「・・・でもそれって漫画とは関係ないな。心に来るし憧れもするけど」
A「じゃあどんなのが良いんだよ」
B「さっきも言った通り、誰にも抜けない伝説の剣が主人公にだけ抜けたとか、過去の英雄が主人公のおじいちゃんだったりとかだな。他に上げるとするなら、そうだな、実はめちゃくちゃ脇の脇役が物語の終盤でガッツリ絡んでくるやつとかだな。もう一度作品ごと見直したくなる展開は燃えるし、これまでの捉え方が180度ひっくり返るから、そういうのが読みたいかもな」
A「ドッキリ好きということか?」
B「言葉選びが明らかにおかしいけど、悔しいことに方向性としては合っている」
A「じゃあ間違えてお風呂場の扉を開けちゃってキャーのびたさんのエッチ的なやつもふくせんの回収か?」
B「どこが伏線回収だ」
A「だってヒロインはお風呂好きっていう設定があるし、主人公にはおっちょこちょい特性が備わっているから、これは立派な伏線であって物語の読み方が変わって来る」
B「実は主人公が最初から計画してましただったらわかるけど、ただのギャグパートなわけだし、伏線ではないかな」
A「先に冒険に出た兄が弟のことを心配するあまり、後から冒険に出た弟を途中の国で数日待ち構えるも、いざ弟がやって来た時にコトのついでに会っただけとサラっと会話するだけで留めちゃうとか、憧れでしかないな」
B「やたらと具体的だけだな。ただ、伏線がどうかは別として話に奥行があって良いな」
A「そんでその兄は物語の途中で敵にやられちゃうんだ」
B「間違いなくワンピースだな。エースだろ?」
A「良く知ってるな。その通り、ドラム王国やアラバスタ王国でルフィのことを待ってたエースだよ」
B「細かい話はどうでも良いんだよ。伏線って言う言葉を使い始めた時点でワンピースじゃないかと疑ったけど、最後まで聞いて確信したよ。やっぱりワンピースじゃないか」
A「ワンピースは正義だ。物語の大事なエッセンスが全部詰まってる」
B「敢えて否定しないよ。お前の一番好きな漫画ってやっぱりワンピースなのか?」
A「ゴーゴー!ゴジラッ!!マツイくんだな」
B「もうええわ」
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